主要機構を新設計したリニアモータ駆動マシニングセンタ、レコーダー機能も搭載:工作機械
ソディックはリニアモータ駆動マシニングセンタ「UX650L」を2024年6月から販売する。
ソディックは2024年4月8日、リニアモータ駆動マシニングセンタ「UX650L」を同年6月から販売すると発表した。
UX650LはUH650Lの後継機種として開発され、軽量主軸ヘッド、機械構造体、各軸案内機構およびリニアモータに至る機械の全ての主要機構を新たに設計した。ダイヤモンド工具を使用する高硬度材料直彫り加工の高速化や、光学レンズの鏡面仕上げ加工の効率アップなどに対応する。標準価格は3300万円(税抜き)からで、生産目標台数は年間30台としている。
X軸を含めた主軸ヘッドを11%軽量化した他、各軸リニアスケール配置を最適化し、各軸応答特性が向上して、より高速かつ高精度加工が可能になった。
静圧案内に匹敵する低ウェービング特性および減衰特性を併せ持った直動ガイドを搭載しており、転動体の出入りによる振動を最小限に抑制し、微細精密領域での加工面質の向上に貢献する。
主軸回転時の発熱による工具先端の変位および機械本体の姿勢変形に対しては、主軸本体を覆う構造体に冷却液を流すことで機械の姿勢変形を抑制。また、主軸の温度や回転速度などのデータから熱変位を推定して補正する。
自動車のドライブレコーダーと同様、加工中やエラー発生時の動画や画像を記録するマシニングレコーダー機能を搭載しており、動画や画像の記録データは外部接続USBメモリに保存可能な他、CNC(コンピュータ数値制御)画面上にも表示でき、加工不具合やエラー発生時の原因調査に活用できる。
単純な穴あけや平面加工、ワークの芯出し動作はCNC画面のパラメーターにデータを入力するだけで簡単にプログラムを作成できる。
各軸移動距離(X×Y×Z)は650×550×300mm、作業面サイズ(幅×奥行、治具ベース)は750×550mm、最大積載質量は300kgとなっている。機械本体寸法(幅×奥行×高さ)は2145×3704×2510mm、ATC(自動工具交換装置)は20本まで搭載可能だ。
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