車両のコネクティッドサービス分野で協業、安全なモビリティ社会に貢献:車載ソフトウェア
SCSKとトヨタコネクティッドは、車両のコネクティッドサービス分野で協業する。両社のサービスを連携して新たなフリートマネジメントサービスを開発し、グローバルで安心、安全なモビリティ社会の構築を目指す。
SCSKとトヨタコネクティッドは2024年3月18日、車両のコネクティッドサービス分野で協業すると発表した。
SCSKは、AI(人工知能)とITを活用したデータ解析や車載システムの開発を得意とする。トヨタコネクティッドは国内外でMaaS(Mobility as a Service)やコネクティッド領域の事業を展開しており、特にフリートマネジメントサービスの領域では、通信型デバイスを活用して位置情報や移動履歴を一括管理できるサービスを提供している。
両社は、SCSKのモビリティサービスとトヨタコネクティッドが提供する法人車両管理者向けのフリートマネジメントサービスを組み合わせ、「販売」「開発」「研究」「データ利活用」の4領域において協業する。
販売では、両社のチャンネルを活用し、東南アジア地域のフリート事業者に対するサービス導入の機会を創出する。
開発においては、スピーディーに新コンテンツを開発するアジャイル開発チームの組成を検討する。
また研究では、新機能や新サービスなどのコンテンツを拡充するための検証を実施する。データ利活用では、車両データを解析して、フリートマネジメントサービスなど各種サービスにおいて新たな価値を創出する。
両社は、2023年より東南アジア地域の一部で車両管理および運転スコアリングを活用した実証実験を開始している。2024年4月からは両社のサービスを連携した統合フリートマネジメントサービスを提供する。
東南アジア地域の自動車保有台数を2011年と2020年で比較すると、273%増と大幅に増えている。また、世界の交通事故死の28%を同地域が占めるなど、交通に関する課題も抱えている。両社は4領域の協業を通じて、東南アジア地域をはじめとする世界の各地域において安心、安全なモビリティ社会を構築するため、地域に応じた事業やサービスを提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ホンダとSCSKがソフトウェア開発、ホンダ向け技術者を2030年に1000人
ホンダはソフトウェア開発に関するパートナーシップにSCSKと合意した。 - 車載BSWの海外販売に向けてSCSKとFPT Softwareが業務提携を締結
SCSKとFPT Softwareは、車載ベーシックソフトウェア「QINeSBSW」の海外販売に関する業務提携契約を締結した。SCSKは今後、FPT Softwareを介した海外自動車メーカーおよび部品メーカーからの要望を製品に反映する。 - モビリティサービス強化のため、「QINeS」ブランドをリニューアル
SCSKは、AUTOSAR準拠の基盤ソフトウェアを中核とするソリューション「QINeS」ブランドを、同社モビリティサービスの総称として再定義する。個々の製品やサービスを体系化し、ブランド力の向上を図る。 - SCiB電池パックの制御ECU開発にAUTOSAR準拠のプラットフォームを採用
東芝が開発するリチウムイオン二次電池「SCiB」の電池パックの次世代電池制御ECU標準ソフトウェアプラットフォームに、SCSKが提供するAUTOSAR規格準拠の「QINeS-BSW」が採用された。 - QINeSの採用が広がるSCSK、AUTOSAR APはアプリケーション開発に注力
SCSKは、「オートモーティブワールド2020」において、自動運転システムなど向けのAUTOSARであるAUTOSAR Adaptive Platform(AP)の活用事例についてデモンストレーションを披露した。 - トヨタはマイクロソフトとのビッグデータ合弁でIoTも視野に入れる
トヨタ自動車は、マイクロソフトと共同で、市場で走行する車両から得られる情報の集約と解析、その結果の商品開発への反映を目的とした新会社Toyota Connected(TC、トヨタ・コネクティッド)を設立したと発表した。