レゾナックのリチウムイオン電池用バインダーがトヨタのハイブリッド車に採用:材料技術
レゾナック・ホールディングスは、事業会社のレゾナックのリチウムイオン電池用バインダー「ポリゾール LBシリーズ」が、プライムアースEVエナジーのリチウムイオン電池の部材として初めて採用されたと発表した。
レゾナック・ホールディングスは2024年4月4日、事業会社のレゾナックのリチウムイオン電池用バインダー「ポリゾール LBシリーズ」(以下、ポリゾール LB)が、プライムアースEVエナジーのリチウムイオン電池の部材として初めて採用されたと発表した。同電池は、トヨタ自動車が今後販売する一部のハイブリッド自動車(PHEV)に搭載される。
採用されたグレードは電気抵抗をさらに低減
近年、グローバルでカーボンニュートラルに向けた取り組みが活発になっていることを受けて、PHEVや電気自動車(EV)などの普及が加速している。この普及に伴い、PHEVやEVに搭載されるリチウムイオン電池には、より大きな電流で充放電できること、つまり、高い入出力特性が求められている。
一方、ポリゾール LBは、レゾナックが保有する水系エマルジョン製品群のうち、リチウムイオン電池用に特化した製品だ。同製品は、リチウムイオン電池の負極に使用されており、活物質間や活物質と集電箔間を接続することで、負極の構造を維持する。
また、優れた低抵抗性能、温度特性、負極集電箔との高密着性などの特徴を持ち、リチウムイオン電池の高入出力特性化、長寿命化に貢献。プライムアースEVエナジーに採用されたグレードは、さらに電気抵抗を低減し、大きな電流を通せるようにしたもので、大電流での充放電ができる。
なお、レゾナックがこれまでに培ってきたポリマー設計、電池評価技術などを活用し、バインダーの組成/粒子構造を最適化したもので、この製品性能が評価され、採用に至った。
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