物流自動化でカギを握る“つなぐ力”、三菱ロジが新中計で目指す飛躍:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
三菱ロジスネクストは2024〜2026年度の新中期経営計画「Logisnext Transform 2026」を発表した。
つなぐ力で人機協調をサポート、新組織も設立
特に物流ソリューション事業の飛躍では、今後、有人荷役現場と無人荷役現場が混在し、人と機器、機器と機器をつなぐニーズが台頭すると想定し、AGV(無人搬送車)、AGF(無人フォークリフト)を核とした自動化、自律化商品の投入だけでなく、人機協調をサポートするシステムの開発、顧客接点を最大限に生かしたつなぐ力、解決する力の強化に取り組む。
具体的には、三菱重工業の自律化、知能化ソリューションコンセプト「ΣSynX(シグマシンクス)」を活用した次世代AGFプラットフォームを自社開発する。既に展示会では必要通路幅が1800mmのAGFなどを披露している。
さらに有人フォークリフトと無人機器の作業管理を統合し、人と機械に最適な作業指示を行う統合制御システム「ミクストフリートソリューション」の開発、拡販を図る。
三菱ロジスネクスト 技術本部長の杉浦広之氏は「人機協調をサポートするミドルウェアを開発している。これは一度開発して終わりではなく、何段階かのステップアップが必要と考えている。世に出して使っていただきながら、さらにその後成長させていきたい。今後、自動化は進展していくが、一気に全て自動化するのではなく、人と機械が併存し、機械同士も全てが連携していない倉庫内というのが当面の間は続く。それらをいかに双方向に連携させ、効率的に動かしていくがポイントになる」と話す。
また、物流ソリューション事業をグローバルに統括する新たな組織「ロジスネクストソリューションズ室」(LogSol室)を2024年4月1日に立ち上げる。
間野氏はこの狙いについて「これまでソリューション事業は、日本なら日本、米国なら米国と基本的に地域別に進めてきた。それは顧客密着という観点ではよかったが、今後、グローバルに伸ばしていくためには、リソースの配分や技術、ノウハウの横通しをする部門が必要と考えた」と述べる。
LogSol室を率いるのは執行役員でMitsubishi Logisnext Europeの上級副社長を務めるフィンランド人のTapio Rummukainen氏だ。三菱ロジスネクストの本社組織では初の外国人部門長となる。Rummukainen氏は三菱重工業が2008年に買収したフィンランドの屋内物流機器メーカーであるロックラー(Rocla)で代表などを務めてきた。「最先端の自動化技術の動向に詳しく、われわれとは十数年間一緒にやってきて信頼関係も十分に構築してきたこともあり、今回、新たな試みとして行った」(間野氏)
三菱ロジスネクストは直販体制を中心としたユーザーとの強固な接点を持つ。「多くのユーザーとの良好なリレーションを最大限に活用し、物流の工程間をつなぐ力、物流課題を解決する力を一層強化していく」(間野氏)としている。
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