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2033年までに1兆円超、ワイヤレス給電の市場成長予測を発表:組み込み開発ニュース
矢野経済研究所は、2024年のワイヤレス給電市場に関して調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を発表した。2033年の非放射型ワイヤレス給電世界市場は1兆円を超えると予測する。
矢野経済研究所は2024年2月27日、2024年のワイヤレス給電市場に関する調査結果を発表した。ワイヤレス給電関連の企業を調査対象とし、2023年9月〜2024年1月の期間で調査。製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにしている。
非放射型ワイヤレス給電用の送電、受電モジュールの世界市場規模は、2023年の事業者売上高ベースで約5072億8400万円から、2033年には1兆824億円規模に成長すると予測している。
現在、市場をけん引するのは、スマートフォンやウェアラブル機器に搭載しているワイヤレス給電モジュールで、AGV(無人搬送車)、搬送機器、建設機器など産業機器向けも成長している。一方、EV(電気自動車)向けのワイヤレス給電システムはまだ研究開発や実証実験の段階で、本格的な市場展開は2030年以降と予測している。
注目トピックとして、空間伝送型のワイヤレス給電技術を取り上げており、国内市場では2023年の売上高23億円から、2030年には1685億円、2040年には8419億円に達すると予測する。現状において同技術は、FA、物流機器、オフィスビルの空調、照明コントロール機器などのワイヤレス給電モジュールが中心だ。今後はさらに拡大し、ビルマネジメント分野や介護、見守り機器など、幅広いアプリケーションに適用するという。
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