電動キックボードをワイヤレス給電する実証実験、電界結合方式を採用:電動化
愛知県豊橋市と豊橋技術科学大学発のスタートアップ企業パワーウェーブは電動キックボード向けワイヤレス給電の実証実験を開始する。
愛知県豊橋市と豊橋技術科学大学発のスタートアップ企業パワーウェーブは2024年1月12日、電動キックボード向けワイヤレス給電の実証実験を開始すると発表した。期間は同年1月13日〜2月12日。電動キックボードの車両と予約システムはLUUPのものを使用する。
給電スポットは豊橋駅南口駅前広場、複合施設のemCAMPUS、こども未来館ここにこ、豊橋市役所の4カ所に設ける。電動キックボードによって中心市街地の移動をスムーズにし、回遊性を高める。電動キックボードは10台用意し、このうちワイヤレス給電に対応した車両は5台となる。保険料などを含めた利用料金は30分ごとに200円。
実証実験は豊橋市未来産業創出事業補助金を活用しており、スタートアップ企業支援の取り組みの一環で行う。ワイヤレス給電システムを提供するパワーウェーブは、電界結合方式による充電の実用化を目指している。
電界結合方式は電界の変化を介して高周波電力を伝送する方式で、送信側の電極に高周波電圧をかけて電界を発生させ、受信側の電極の電界を変化させることで変位電流としてエネルギーを伝送する。シンプルかつフレキシブルな構造で給電できることや、位置ズレに強いことがメリットだとしている。また、電流を小さく、電圧を高くするため熱の発生が少なく損失も低減できるという。
パワーウェーブは豊田通商とも電動キックボードのワイヤレス給電の実験を実施。従来のようなバッテリー交換や充電の作業を行わずに1000kmの走行が可能であることを確認した。
電動キックボードのシェアリングサービスでは、スタッフが巡回し電池を交換している。回収した電池の充電作業も発生する。ユーザーは予約する際にバッテリー残量を確認し、自分が使う距離によってはバッテリー残量が多い車両を選ぶ必要がある。ワイヤレス給電が普及すれば、バッテリーの管理や交換用の予備バッテリーのコストを削減できる。また、バッテリーの搭載量を小さくすることで、車両コストの削減や軽量化による電費改善も図れる。
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