医療器材物流アウトソーシング市場、2022年度は1250億円で堅調に推移:医療機器ニュース
矢野経済研究所は、国内の医薬品、医療器材物流アウトソーシング市場に関する調査結果を発表した。同市場は堅調に推移しており、2022年度の市場規模は前年度比6.8%増の1250億円だった。
矢野経済研究所は2024年2月28日、国内の医薬品、医療器材物流アウトソーシング市場に関する調査結果を発表した。
国内医薬品、医療器材のメーカー物流アウトソーシング市場は、医薬品や医療器材の出荷量や物流関連企業などへの委託率が増加したこと、委託業務範囲が拡大したことなどを受け、堅調に推移している。2022年度の同市場規模は、受託企業売上高ベースで1250億円だった(前年度比6.8%増)。2013年度と比較すると約1.6倍に伸びている。
近年、医薬品の物流アウトソーシングサービスは、輸配送部分を含めた管理から納入までのトータルプロセスや品質が重視される傾向にあり、堅牢な輸配送ネットワークが求められる。
また、2018年には医薬品流通基準に関して日本版GDP(Good Distribution Practice)ガイドラインが厚生労働省から出された。これを踏まえて、GDPに対応済みであることが外部委託先選定のポイントとなっている。
さらに、メーカーが製品を出荷し、医療機関などに届くまでの流通状況を可視化するデータプラットフォームなどが、医薬品の物流アウトソーシングサービスの付加価値になると考えられる。
「物流の2024年問題」の影響から、各種物流業務の効率化に向けて、物流事業者だけでなく荷主側の意識改革も必要となる。複数のメーカーの製品を運ぶ共同輸送や、中継物流拠点を設けるリレー輸送、鉄道や船舶を活用するモーダルシフトの取り組みが一部で実施されている。
同社は、輸送にかかる工数や環境負荷を減らすための、医薬品、医療器材物流アウトソーシング業界全体の業務を最適化する仕組みづくりが進むと推測している。
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