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約2倍長寿命化した車載アクセサリー機器向けニッケル水素電池を開発:組み込み開発ニュース
FDKは、車載アクセサリー機器に適した、長寿命ニッケル水素電池「HR-AATEZ」を発表した。従来モデルより約2倍長寿命化しており、電池交換頻度を減らすことで利便性の向上が期待できる。
FDKは2024年2月29日、車載アクセサリー機器に適した、長寿命ニッケル水素電池(AAサイズ)「HR-AATEZ」を発表した。国際規格(IATF16949)認証取得の高崎工場(群馬県高崎市)で、同年4月から量産出荷を開始する。
新製品は、2022年6月に量産出荷を開始した長寿命モデル「HR-AAUTEWM」をベースに開発。高耐久化した水酸化ニッケル、水素吸蔵合金、電解液、外装缶などの採用に加え、従来セルより電池容量を増やして寿命特性のさらなる向上に成功した。HR-AAUTEWMとの比較で約2倍長寿命化しており、電池交換頻度を減らすことで、利便性の向上が期待できる。
サイズは外径14.35mm×高さ50.0mm、重さ約26g。公称電圧1.2V、公称容量1200mAh、定格容量1100mAhとなっている。
eCall(車両緊急通報システム)、トラッキング、カーアラーム、ドライブレコーダーなどの車載アクセサリー機器への使用を想定する。他にも、低温環境下で優れた放電性能を備えるニッケル水素電池「HR-AAUTEW」など、機器の使用条件に適したラインアップを揃えている。
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