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ニッケル水素電池の容量を25%向上、高出力かつ長時間の駆動に対応:組み込み開発ニュース
FDKは、公称容量を4000mAhに向上させた高出力ニッケル水素電池「HR-4/3FAUP」を開発し、量産出荷を開始した。高い出力特性と耐久性を維持したまま、既存品より容量を25%高めた。
FDKは2023年1月31日、公称容量を4000mAhに向上させた高出力ニッケル水素電池「HR-4/3FAUP」を開発し、量産出荷を開始したと発表した。
HR-4/3FAUPは、高い出力特性と耐久性を維持したまま、使用材料や構造を見直すことで、既存品のHR-4/3FAUPCより容量を25%高めた。公称電圧は1.2V、公称容量は4000mAh。外径18.1mm、総高67.0mmで、質量58gとなっている。
ニッケル水素電池は発火/発煙の危険性が低く、重要なデータを取り扱うサーバやストレージなどのバックアップ電源として利用が広まっている。ただし、機器の高速化やデータ容量の増大に伴い、バックアップ時の出力やデータ転送時間などが増加し、より高出力でより高容量な電池への需要が高まっていた。
HR-4/3FAUPは、既に2022年5月からサンプル提供を開始している。用途として、サーバやストレージ以外に、セキュリティ機器、電動工具、エレベーター機器、各種バックアップ機器を想定している。
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