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二次電池の電極スラリー向け連続式生産システムの共同開発をスタート:材料技術
クボタは、栗本鐵工所と共同で、原料を連続して供給継続可能なフィーダと原料を均一に混合する二軸混練機を組み合わせた「二次電池の電極スラリー向け連続式生産システム」の開発を開始した。
クボタは2024年2月20日、栗本鐵工所と共同で、原料を定流量供給するフィーダと原料を均一に混合する二軸混練機を組み合わせた「二次電池の電極スラリー向け連続式生産システム」の開発を開始したと発表した。
クボタは、原料の定流量供給時に使用する重量式フィーダに強みを持つ。一方、栗本鐵工所は、フィーダから出てきた原料を短時間かつ均一に混ぜ合わせる連続式二軸混練機で国内トップシェアを占めている。そこで今回、両社のノウハウを組み合わせ、二次電池の電極スラリーに適した連続式生産システムの共同開発を開始した。
世界各国が脱炭素を進めるなか、EV(電気自動車)などに使用する二次電池の需要が増加している。それに伴い、二次電池の電極の製造方法も、現在主流のバッチ式生産から、より効率の高い連続式生産へ転換しつつある。
二次電池の電極スラリーは、活物質に導電助剤やバインダーなどの原料を混合してつくるが、高い電池性能を獲得するには均一に混ぜる必要がある。よって、原料をどれほど安定的かつ連続的に計量、混練できるかが、二次電池の品質と生産効率を左右する重要な鍵となる。
両社は今後、二次電池の安定供給を進めることで、電動化とカーボンニュートラル社会の促進に貢献するとしている。
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