IHIが台湾の大林発電所でアンモニア燃焼技術導入に向けた検討を開始:脱炭素
IHIは、台湾の公営電力会社である台湾電力や住友商事と共同で、台湾電力が台湾南部の高雄市で所有する大林発電所で、燃料アンモニアの経済性の検証やアンモニア燃焼技術の適用検討と実証試験実施の覚書を締結したと発表した。
IHIは2024年3月1日、台湾の公営電力会社である台湾電力や住友商事と共同で、台湾のCO2排出量削減を目指し、台湾電力が台湾南部の高雄市で保有する大林(ターリン)発電所で、燃料アンモニアの経済性の検証やアンモニア燃焼技術の適用検討と実証試験実施の覚書を同年2月29日に締結したと発表した。
この覚書では、2030年末までに5%以上のアンモニア燃焼を行う実証試験の実施を目指すとともに、将来的なアンモニア比率の拡大に向け共同で検討を進めることを策定している。
IHIはクリーンアンモニアの製造検討にも参加
台湾政府は、2050年に温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指し,発電所における水素/アンモニアの利活用を検討している。一方、台湾電力は、政府の目標達成に向け、従来燃料の消費量を削減し、台湾の脱炭素化へ貢献することを目指している。
また、IHIは、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアを燃料とする燃焼技術の開発を推進しており、2024年度中にJERAが所有する碧南火力発電所4号機(愛知県碧南市)で燃料アンモニアの大規模燃焼(熱量比20%)を行う世界初の実証試験(同社調べ)を開始する予定だ。
この技術で従来の火力発電所の燃焼をアンモニア燃焼に転換することを目指し、さまざまな検討を行っている。さらに、再生可能エネルギーが豊富な地域を中心にクリーンアンモニアの製造検討にも参加し、燃料アンモニアの製造から利用までのバリューチェーン全体の構築に取り組んでいる。
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