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体積を約80%に小型化した、ニデックの門形五面加工機向けユニバーサルヘッド:工作機械
ニデックマシンツールは、門形五面加工機「MVR」シリーズ用の新型ユニバーサルヘッドを発売した。従来比で約80%小型化し、工具とワークとの接近性や可動域を高めたことで加工品質や生産効率の向上に寄与する。
ニデックマシンツールは2024年2月1日、門形五面加工機「MVR」シリーズ用として新たに開発したユニバーサルヘッド(UH)を発表した。既に販売を開始している。
MVRシリーズのアタッチメントの1つである同UHは、高出力かつ高速回転の主軸を維持したまま、従来モデル比で体積を約80%に小型化している。また、工具を取り付ける傾斜軸の突き出しを長くしてワークとの接近性が向上したことで、短小工具を使用できるようになった。
長尺工具を使用する加工においても、主軸の剛性を高めることで、荒加工から仕上げ加工まで幅広く対応する。旋回径を従来より81mm短い607mmとし、ワークとの干渉範囲を小さく抑えて壁から220mmまで接近できる。
主軸回転速度は20〜6000min−1に、主軸出力は15kW/420min−1に、主軸最大トルクは341N・mに向上した。同時に、各軸の割り出し時間の高速化により、非加工時間を短縮するなど生産性の向上を図っている。
高出力時においても1度ごとの割り出しができるため、加工の自由度が高く、鋳物の重切削から金型の高精度仕上げまで広範な加工に対応する。
同UHはMVRシリーズの「Ax」「Hx」に対応する。既に両機種を利用している場合は、後付け工事により搭載可能だ。
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