ワーキングケアラーの4割が、介護と仕事の両立を「相談したことがない」:キャリアニュース
「LIFULL 介護」が「ワーキングケアラーの実態調査」の結果を発表した。約3割が介護していることを職場の人に伝えておらず、約4割が仕事の両立について誰かに「相談したことはない」と回答した。
LIFULL seniorが運営する、老人ホームや高齢者住宅の検索サイト「LIFULL 介護」は2024年2月15日、「ワーキングケアラーの実態調査【取り巻く環境編】」の結果を発表した。同調査の対象は、過去10年以内に家族や親族の介護に携わったことがあり、介護が始まる前に仕事をしていた人で、1105人から回答が寄せられた。
初めに、介護していることを職場の人に伝えたかどうかを尋ねたところ、伝えた相手として最も多かったのは「上司」(39.7%)で、次いで「同僚」(37.2%)、「誰にも伝えてない」(32.2%)となった。自分が介護していることを職場に伝えていない人が約3割いることから、介護と仕事の両立にはまだまだ課題があると言えそうだ。
続いて、介護と仕事の両立について誰かに相談したことがあるか、またその相談先を尋ねたところ、「相談したことはない」が最も多く、41.3%を占めた。相談先として最も多かったのは「ケアマネジャー」(25.4%)で、次が「上司」(20.8%)、「同僚」(16.6%)、「医師、病院スタッフ」(14.8%)となっている。
介護と仕事の両立に必要なのは「休みを取りやすい職場環境」
「介護に関する相談先」のトップ3は、1位「ケアマネジャー」(56.7%)、2位「介護スタッフ」(31.3%)、3位「病院スタッフ、医師」(29.7%)だった。また、「職場の人事部など管理部門」と回答した人も9.0%いた。近年、企業の顧問として介護と仕事の両立に専門的な指導や助言をする産業ケアマネジャーという有資格者が注目されており、今後、産業ケママネジャーを設置する企業が増える可能性もある。
「介護と仕事の両立に必要だと思うもの」は、1位が「休みを取りやすい職場環境」(36.9%)、2位が「突発的に利用できる介護サービス」(36.7%)、3位「介護を理由に取得できる休暇」(27.2%)だった。なお、介護休暇や介護休業は、国で定められた休暇制度で、会社の規定に記載されていなくても取得可能だ。
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