日立の米国子会社がパデュー大学のスマート工場ラインにMESを寄贈した理由:スマートファクトリー(1/2 ページ)
日立の米国子会社であるフレックスウェア イノベーションは、米国の大手公立大学であるパデュー大学の工学部が2024年秋入学学生向けから導入するスマート工場ラインの技術パートナーとして参画するとともに、同社のMESソリューションウェアである「SparkMES」を寄贈した。その狙いについて、日立から出向している岩本貴光氏に聞いた。
日立製作所(以下、日立)の米国子会社でMES(製造実行システム)やSCADA(監視制御システム)のSI事業を手掛けるフレックスウェア イノベーション(Flexware Innovation、以下Flexware)は、パデュー大学 工学部(Polytechnic Institute)が2024年秋入学年の学生向けから導入するスマート工場ライン「Smart Learning Factory」の技術パートナーとして参画するとともに、同社のMESソリューションウェアである「SparkMES」を寄贈した。
パデュー大学は約10万5000人の学生が在籍する米国の大手公立大学として知られており、そのうち5万人の学生が学ぶウエストラファイエットキャンパスにある工学部は製造業に携わる多くのエンジニアを輩出していることで知られている。同学部が新たに立ち上げるのが、スマート工場の知識や経験が得られる専門コースの「Smart Manufacturing Lab」であり、毎年約1200人の学生が学ぶ予定だ。そして、彼らが実践的な教育を受けるスマート工場ラインとして構築されているのが、Flexwareが技術パートナーとして参画するSmart Learning Factoryというわけだ。
日立 インダストリアルデジタルビジネスユニット エンタープライズソリューション事業部 グローバル推進センタのChief Project Managerで、現在はFlexwareにVice President of Integration Management Officeとして出向している岩本貴光氏は「パデュー大学のPolytechnic Instituteは日本でいう高専のように、エンジニアとして社会に出たときに直接役立つ実践的な教育を受けられることが特徴です。ただし、今回のSmart Learning Factoryはかなり大規模であり、さまざまな製品の製造のスマート化をラインレベルで学べる場になっている」と語る。例えば、射出成形からの部品組み立ての自動化や、作業者と複数台のロボットによるライン上での協働作業など、今後の製造業で求められる多品種少量生産を実際にモノづくりを行う形で学べるようになっているのだ。
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