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クオリカプスの譲渡やヘルスケアと産業ガスの事業好調で三菱ケミカルGが増益製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

三菱ケミカルグループは、2024年3月期第3四半期(2023年10〜12月期)の決算で、売上高は前年同期比5%減の3兆2451億円となるも、営業利益は同337%増の2125億円となった。ハードゼラチンカプセルやHPMCカプセルの製造販売を行うクオリカプスの譲渡やヘルスケアセグメントと産業ガスセグメントの好調が増益の要因だった。

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セグメント別の動向

 セグメント別では、スペシャリティマテリアルズセグメントの売上高は前年同期比6%減の8734億円で、コア営業利益は同69%減の173億円だった。「スペシャリティマテリアルズの需要低迷が続いている。特にサブセグメントのフィルムズ&マテリアルズは、主要なターゲットである半導体とエレクロニクスの市場が不調だったことに加え、海外顧客が年末に向けて在庫調整を行った影響を受け、前年同期に比べコア営業利益が大きく減った」(中平氏)という。

スペシャリティマテリアルズセグメントのコア営業利益増減分析
スペシャリティマテリアルズセグメントのコア営業利益増減分析[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

 ポリマーズ&コンパウンズサブセグメントでは、バリア包材や塗料、インキ、接着剤用途などの需要が減退したことで販売数量が減少し、前年同期と比べ売上高と営業収益は減った。

 フィルムズ&モールディングマテリアルズサブセグメントでは、高機能エンジニアリングプラスチックや炭素繊維をはじめ、ポリエステルフィルムや食品包装用フィルムなどの需要が減退したことで、販売数量の減少によりコア営業収益は大幅減となった。

 アドバンストソリューションズサブセグメントでは、半導体関連事業を中心に販売数量が減少したことで、売上高とコア営業利益は減った。

 産業ガスセグメントの売上高は同6%増の9224億円で、コア営業利益は同45%増の1225億円となった。国内外の需要は軟調であったものの、各地域で推進する価格マネジメントや為替影響などにより、売上高は増加した。コア営業利益は、売上高の増加に加え、コスト削減の影響などにより増えた。

産業ガスセグメントのコア営業利益増減分析
産業ガスセグメントのコア営業利益増減分析[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

 ヘルスケアセグメントの売上高は同6%増の3379億円で、コア営業利益は同177%増の554億円となった。国内医療用医薬品で薬価改定などの影響を受けたが、重点品/新製品や米国で発売したRADICAVA ORSの販売が順調に推移したことで、売上高は増加した。コア営業利益は、売上高の増加と、北米の連結子会社であるMedicagoの全事業から撤退したことに伴う研究開発費などの減少により増えた。

 MMA(メタクリル酸メチル)セグメントの売上高は同12%減の2071億円で、コア営業利益は3億円の減益となった。MMAモノマーなどの市況の下落により売上高は減少した。コア営業利益は、英国のキャッセル工場閉鎖に伴いコストは減ったが、市況の下落による売買差の悪化で減益となった。

 ベーシックマテリアルズセグメントの売上高は同13%減の7488億円で、コア営業利益は104億円の減益だった。ポリオレフィンなどで原料と製品の価格差が拡大した他、原料価格の下落に伴い在庫評価益が縮小。さらに、コークス市況の下落などによる売買差が悪化したことに加え、需要の低迷により同セグメントの素材の販売数量が減った。これらの要因により売上高とコア営業利益は大幅に減少した。

ベーシックマテリアルズセグメントのコア営業利益増減分析
ベーシックマテリアルズセグメントのコア営業利益増減分析[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

 石化サブセグメントでは、原料価格の下落などに伴い販売価格が下落したことに加え、需要が減退したことで販売数量が減少し、売上高とコア営業利益が減った。炭素サブセグメントでは、原料価格の下落および需要の低迷に伴いコークスの販売価格が下落したことで売上高とコア営業利益が減少した。

 その他のセグメントの売上高は同18%減の1555億円で、コア営業利益は6億円の減益となった。

事業セグメント別売上収益及びコア営業利益
事業セグメント別売上高およびコア営業利益[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

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