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トヨタは2023年度の業績予想を上方修正、ダイハツなどの不正も織り込み済み製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

トヨタ自動車は2024年3月期第3四半期の決算を発表した。営業収益は前年同期比23.9%増の34兆227億円、営業利益は同102.1%増の4兆2402億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同107.9%増の3兆9472億円だった。

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2023年度通期の見通し

 2023年度通期の連結販売台数は、前回の見通しから15万台減の945万台を見込む。ダイハツの出荷停止を受けて、日本の販売見通しを前回予想から8.6%減の212万台とした。北米と欧州は前回予想と比べて微増を見込む。トヨタ・レクサス販売台数は前回の予想を据え置いたが、電動車のうちPHEVやEV、FCV(燃料電池車)の販売は前回予想から下方修正した。電動車全体としては前回予想から0.2%増の微増を計画している。


2023年度通期の販売見通し[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 2023年度通期の上方修正の内訳は、売上高が5000億円増、営業利益が4000億円増、当期利益が5500億円増だ。想定為替レートは円安方向に見直し、1ドル=143円(2円円安)、1ユーロ=154円(2円円安)とした。営業利益の上方修正の要因は為替変動の影響が2350億円、為替やスワップの影響を除く原価改善や営業面の努力で3550億円だ。

2023年度通期の営業利益の増減要因。前回予想比(左)、前年度比(右)[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

ダイハツの現状

 ダイハツの認証不正では現行モデル全てが出荷停止となり、2023年12月下旬から工場の稼働も停止していた。3車種が型式指定取り消し、2車種がリコールとなったが、国土交通省が道路運送車両法への基準適合性を確認し、出荷停止が順次解除されている。

 小型商用車であるトヨタ自動車向け「プロボックス」とマツダ向け「ファミリア バン」を生産する京都(大山崎)工場(京都府大山崎町)では、2024年2月5日から未出荷車両の出荷を再開しており、同月12日からは同モデルの生産も再開する予定だ。

 軽自動車のダイハツ「ミライース」「ハイゼット トラック」「ハイゼット カーゴ」「アトレー」とOEM(相手先ブランドによる生産)供給モデルを生産するダイハツ九州 大分(中津)第1工場/第2工場(大分県中津市)は同年2月19日以降の稼働について調査中だとしている。それ以外のモデルを手掛ける生産ラインや工場については、同年3月1日まで稼働停止を延長する(同年3月4日以降の稼働再開のめどは立っていない)。

豊田自動織機の現状

 豊田自動織機は2024年1月29日に自動車用エンジン3機種の認証で法規違反があったことを発表。搭載車種はトヨタ自動車の「ハイエース」「グランエース」「ランドクルーザープラド」「ハイラックス」「ランドクルーザー」と、日野自動車の「デュトロ(トヨタ自動車にOEM供給する「ダイナ」)」。出力性能の試験で不正行為があったが、抜き取り検査で出力が出荷基準を満たすことは確認したという。

 発表と同日で自動車用エンジンの出荷を停止しており、その搭載車種を生産するトヨタ自動車や日野自動車の拠点も稼働を停止している。搭載車種だけでなく、同一ラインで生産する別のモデルも生産を停止するなど影響が広がる。トヨタ自動車と日野自動車は2月9日金曜日まで稼働停止が決まっており、翌週の同月12日の稼働についても現時点では未定となっている。

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