ドアロックでダイハツ「キャスト」がリコール、トヨタ向け含め32万台:製造マネジメントニュース
ダイハツ工業は国土交通省にリコールを届け出た。対象車種は軽自動車「キャスト」とトヨタ自動車にOEM供給する「ピクシスジョイ」で、台数は合計32万2740台に上る。
ダイハツ工業は2024年1月24日、国土交通省にリコールを届け出た。対象車種は軽自動車「キャスト」とトヨタ自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ピクシスジョイ」で、台数は合計32万2740台に上る。
ダイハツの型式認証試験での不正行為を第三者委員会が調査し、技術検証や実車試験を行う中で、衝突後に全てのドアが閉まって開放できなくなる現象がキャスト/ピクシスジョイで発生。本来は外からいずれかのドアを開けられることが要求される。側面衝突試験で評価される「乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」が法規に適合していない可能性が指摘され、国土交通省はリコールが必要な場合には速やかに届け出るよう指導していた。
リコールでは、運転席のドアで側面衝突時におけるドアロック作動の検証が不十分であったため、衝突時にパワードアロックが作動する場合があると説明。これにより衝突時に全てのドアが施錠され、乗員の救出に時間を要する恐れがあるとしている。
改善措置として、対象となる全車両の運転席側のドアロックを対策品と交換し、取扱説明書に記載のあるキーの操作方法を修正する。対策品の供給に時間を要するため、希望するユーザーには衝突時に施錠されない暫定措置を行い、部品の準備が整い次第改めて対策品に交換するという(暫定措置により、ドアロック操作でキーが使用できずリモコン操作のみに制限される)。
型式認証試験で不正行為があった車種は全て出荷停止となっており、国土交通省が道路運送車両法の基準適合性を確認してから出荷停止が解除される。立ち入り検査の結果、46車種で不正行為があったと確認されており、このうち3車種が型式指定取り消し、5車種で出荷停止指示が解除されている。
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