新型冷蔵庫は整理整頓の促進で省エネ貢献、三菱電機 静岡製作所のモノづくり:メイドインジャパンの現場力(2/2 ページ)
三菱電機では静岡製作所において報道陣に冷蔵庫の新製品を発表するとともに、静岡製作所の冷蔵庫の生産ラインを公開した。
新カラーバリエーションの新型冷蔵庫、AI機能も強化
組み立てが終わった冷蔵庫は冷蔵庫はコンプレッサーを真空引きした後で冷媒を注入してから、通電試験で庫内の冷却状況などを1台ずつ確認し、外観などの最終検査を経て梱包される。
静岡製作所ではコロナ禍に東南アジアからの部品供給が滞り、冷蔵庫の生産を一時停止する事態に陥った。それを受けて、サプライチェーンのマルチソース化を進めているという。
三菱電機では、2022年から国内の空調、家電、電材住設事業を横断するコンセプトとして「しあわせをシェアしよう。」を掲げている。これには、一人一人の幸せを家族や周りの人たちと共有しあえば、社会全体がもっと幸せになるという思いが込められており、同社製品によるライフソリューション提案を通してより豊かな暮らしに貢献していく。
家電を巡る社会動向としては、食品や電気代、ガス代が高騰している他、コロナ禍を経て生活習慣が変化。自宅での調理や食事、それによる食材のまとめ買いが定着し、冷凍食品の利用も増加した。
それらを踏まえて同社では冷蔵庫に求められている価値を見直し、従来の大容量、省エネルギーに加えて、コロナ化を経て優先度が高まった価値として、冷凍技術/大容量冷蔵、食品の保存性/ロスの削減、家事負担の軽減、在宅時間増から調和を重視したデザインや使い勝手の自由などを定義した。
今回、三菱電機では冷凍冷蔵庫「中だけひろびろ大容量」シリーズの新製品として、2024年1月26日に6ドアの「MZシリーズ」、2月6日に5ドアの「MDシリーズ」を発売する。特徴は大きく2つある。
1つは、リモートワークの普及などで在宅時間が増える中、居住空間になじむ「ハーモニーウィズスペース」をコンセプトにした、新しいカラーバリエーションの採用だ。また近年、壁紙や建材、キッチン家電のデザイントレンドは低彩度、中明度に変化。それに合わせて、自然の要素を住環境に取り入れることで人の感じる快適性や生産効率が向上するという「バイオフィリックデザイン」を取り入れた3つの新色のラインアップとした。
琥珀(アンバー)をイメージした「グランド アンバーグレー」、粘土(クレイ)をイメージした「グランド クレイベージュ」、麻布(リネン)をイメージした「グランド リネンホワイト」の3色となっている。
もう1つは、整理整頓を続けられる冷蔵庫を実現するため、メーカー純正品として独自構造の「思うまま整理セット」を新製品に搭載した点だ。思うままフリーケース(大)、同(小)、思うままストッパーから構成されており、これらを自由に組み合わせることで、整理整頓をサポートする。
2023年発売のモデルから搭載した、庫内の整理整頓などを通知、提案する「A.I.予報」も進化した。A.I.予報は冷蔵室、野菜室、冷凍室に搭載した開閉センサーが各部屋の扉を開けている時間を計測し、過去と現在の平均開放時間の変化を解析。今後の冷蔵庫内の収納状況を予測して、必要であれば冷蔵庫の外側にある操作パネルやスマートフォンに整理整頓を促す通知をするというものだ。
従来の整理整頓を促す通知だけでなく、扉の開放時間の変化から3段階で整理整頓の成果を判断して通知する機能などを新たに付加した。
登壇した、整理収納アドバイザーとして活動するみな氏は「チルドが2段になっていたり、製氷機の給水タンクが埋め込み式になっていたりして、冷蔵庫の中を広く使える工夫がいくつもあってとても魅力的だと感じた」と新型冷蔵庫について語った。
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