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エアコンの国内生産回帰を半年で実現、日立の「白くまくん」が目指す地産地消メイドインジャパンの現場力(38)(1/3 ページ)

日立ジョンソンコントロールズ空調は、栃木事業所において、同社の日立ルームエアコン「白くまくん」の主力製品「スリムモデル」の出荷式を行うとともに、同事業所内に新設したスリムモデルの生産ラインを報道陣に公開した。

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 日立ジョンソンコントロールズ空調は2023年4月26日、栃木事業所(栃木県栃木市)において、同社が展開する日立ルームエアコン「白くまくん」の主力製品「スリムモデル(Wシリーズ)」の出荷式を行うとともに、同事業所内に新設したスリムモデルの生産ラインを報道陣に公開した。スリムモデルはこれまで中国工場で生産していたが、夏のエアコン需要最盛期を迎える前に国内生産に切り替え、2022年夏に業界全体で課題になったエアコン供給不足にいち早く対応する構えだ。

国内生産に切り替えた「スリムモデル」
国内生産に切り替えた「スリムモデル」[クリックで拡大]

 同社は2022年11月に栃木事業所で行ったフラグシップモデル「プレミアムXシリーズ」の出荷式において国内生産回帰を進める方針を示していたが、約5カ月という短い期間で生産ラインの国内移管を実現した。

日立ジョンソンコントロールズ空調の泉田金太郎氏
日立ジョンソンコントロールズ空調の泉田金太郎氏

 スリムモデルの出荷式に登壇した日立ジョンソンコントロールズ空調 日本・アジア地域統括の泉田金太郎氏は「栃木で設計し、栃木で生産した“メイドイン栃木”の白くまくんを1台でも多くご利用いただきたく、取引先の皆さまの多大なる協力を得ながら、数億円を投資して生産ラインを新設した。これまでも栃木事業所で生産してきたプレミアムXシリーズに加えて、スリムモデルも生産できるようになり大変うれしい」と語る。

 また、同社 栃木事業所長の永田孝夫氏も「社会インフラであるエアコンはいかなる状況にあっても供給を切らすことができない製品だ。安定した製品供給のためにサプライチェーンを検討した結果、栃木で作ることによりリードタイムを海外製よりも3週間短くできること、海外工場と連携してフレキシブルな生産供給計画を立てられることで、白くまくんを多くのお客さまにタイムリーにお届けでき、大きなメリットになると考えた」と述べる。

 出荷式では、栃木市 副市長の増山昌章氏、大平商工会 副会長の藤崎(実際の漢字は右側の「大」が「立」のたつさき)英治氏が参加して来賓あいさつを述べ、新ライン立ち上げに協力した取引先企業も列席。テープカットの後、2023年4月に日立物流から社名変更したロジスティードのトラックによるスリムモデルの出荷が行われた。

テープカットの様子
テープカットの様子。左から、日立ジョンソンコントロールズ空調労働組合 副執行委員長の佐藤克典氏、栃木市 副市長の増山昌章氏、日立ジョンソンコントロールズ空調 栃木事業所長の永田孝夫氏、大平商工会 副会長の藤崎英治氏、日立ジョンソンコントロールズ空調 グローバルオペレーションズ統括本部長のジョン・ムリンズ氏[クリックで拡大]
トラック出荷の様子
トラック出荷の様子。出荷式当日はあいにくの雨だった[クリックで拡大]
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