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NECとアサヒ飲料、AIで新商品の需要を予測する実証実験 年3億円削減も:製造マネジメントニュース
NECは、独自のAI技術を活用した新商品の需要予測などに関する実証実験を、アサヒ飲料と共同で実施した。
NECは2023年12月20日、独自のAI(人工知能)技術を活用した、新商品の需要予測などに関する実証実験をアサヒ飲料と共同で実施したと発表した。予測精度マネジメントによる収益拡大に向け、戦略立案を高度化する。
実証実験は同年6〜10月にかけて実施した。NEC独自のAI技術と需要予測の専門知識を組み合わせることで、アサヒ飲料の新商品発売前に、需要予測のポイントである「類似性判断(ベンチマーク商品の選定)」「類似品との差異分析による需要予測」「需要予測オペレーション管理のための仕組み構想」を実施した。
これまで新商品の需要予測は既存品に比べて誤差率が高く、また需要予測結果に対する根拠の透明性や再現性の低さなどが課題だったという。
今回の実証実験では、需要予測の専門家「デマンドプランナー」が持つノウハウに基づいて実施していた新商品の需要予測の類似判断(ベンチマーク商品の選定)で、約7割を再現するとともに、判断材料やノウハウなどの属人的な要素を可視化した。さらに売上機会損失や棚卸資産、在庫保管費、物流費削減などを机上評価したところ、年間で3億円削減できる見込みとなった。
NECは今回の実証実験の結果を基に、アサヒ飲料とさらに連携を強化する。AIによる業務効率化を図るとともに、商品の需要を創出し、収益拡大に向けた付加価値業務に注力する。また、商品の欠品や余剰在庫を抑えて、消費者に安心して商品を届けられるプロセスを目指す。
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