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重機の遠隔操作システムと自動運転機能の現場運用方法を検証:ロボット開発ニュース
安藤ハザマとコベルコ建機は共同で、重機の遠隔操作システムと自動運転機能を現場検証し、作業現場での安全運用方法を検証した。現場から離れたコックピットから、現場の重機2台を遠隔操作と自動運転で切り替えながら同時稼働させた。
安藤ハザマは2023年12月13日、コベルコ建機と共同で、重機の遠隔操作システムと自動運転機能の現場検証を実施したと発表した。重機2台を稼働させ、遠隔操作と自動運転による走行移動や土砂積み込み作業を安全に完了した。同検証は、国土交通省が募集した「建設機械施工の自動化・遠隔化技術に係る現場検証」の一環となる。
今回の検証では、重機の遠隔操作システムと稼働データを用いた現場改善ソリューション「K-DIVE」を活用。K-DIVEに開発中の自動運転機能を搭載し、現場から離れたコックピットから、現場の重機2台を遠隔操作と自動運転で切り替えながら同時稼働させた。
現場での遠隔や自動運転による安全な施工のため、エリアを重機のみの無人エリア、重機と人の混在エリア、人がいる有人エリアと定義した。混在エリアで人と重機が接触するリスクがある場合には、K-DIVEの非常停止機能を使うルールを策定した。
検証結果からK-DIVEの有用性を示したほか、重機1台を自動運転で動かす間にコックピットから別の重機に対して自動運転する作業を遠隔操作で設定するなど、さまざまな現場での活用が示唆された。今後は、K-DIVEへの自動運転技術の実装に向けて、検証を進めるとしている。
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