建機自動操縦標準機の開発プロジェクトで、他社システム連携の実証実験に成功:製造ITニュース
JIG-SAWは、ロードローラ向け自動操縦などの機能を実用搭載する業界標準機開発プロジェクトにおいて、大成建設の自動建機協調制御システム「T-iCraft」と連携した協調制御の実証実験に成功した。
JIG-SAWは2021年2月9日、ロードローラ向け自動操縦などの機能を実用搭載する業界標準機開発プロジェクト「Auto-Drive Synchronized Control System for Compaction Equipment」において、大成建設の自動建機協調制御システム「T-iCraft」と連携した協調制御の実証実験に成功したと発表した。
同社は、2015年より酒井重工業と共同で、ロードローラ向け自動操縦プロジェクト「Auto-Drive Synchronized Control System(ASCS)」を進めている。JIG-SAWの自律走行、操縦ソフトウェアと酒井重工業のロードローラーを連携稼働させる取り組みで、2019年には実際の走行や稼働を実現場で実証可能なレベルに到達した。
これを受けて、より広範囲の関連業界各社と連携した開発を行うため、正式な共同開発プロジェクトとして、2019年6月に締固め機械向けのASCS for Compaction Equipmentを開始。今回の実証実験は、同プロジェクトの一環となる。
T-iCraftと連携し、振動ローラ、バックホウ、クローラダンプ、ブルドーザーなどの建機との協調制御の実証実験を都内で実施。これに成功したことで、JIG-SAWらが進める自動操縦などの機能を搭載する業界標準機が、他社の協調制御システムと容易に連携できることが確認できた。
同プロジェクトでは、今後もさまざまな企業や事業体と連携して、業界標準機の実現に取り組んでいく。
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