クボタが食料や水の課題を解決する長期ビジョン発表、2025年に営業利益3000億円へ:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
クボタは2021年2月22日、2030年をターゲットにした長期ビジョン「GMB2030」と、2025年をターゲットにした中期経営計画を発表した。2025年には売上高2兆3000億円(2019年12月期は1兆9200億円)、営業利益3000億円(同2017億円)を目指す。
クボタは2021年2月22日、2030年をターゲットにした長期ビジョン「GMB2030」と、2025年をターゲットにした中期経営計画を発表した。2025年には売上高2兆3000億円(2019年12月期は1兆9200億円)、営業利益3000億円(同2017億円)を目指す。
2030年をターゲットにした長期ビジョン
クボタでは「GMB(グローバルメジャーブランド)」としての立ち位置を目指した取り組みを強化しているが、2030年までの10年間をターゲットとした長期ビジョン「GMB2030」では「豊かな社会と自然の循環にコミットする“命を支えるプラットフォーマー”」を掲げ、食料、水資源や廃棄物、都市環境などの課題を解決するソリューションを強化していく方針を示した。
具体的には新たな取り組みとして「食料の生産性・安全性を高めるソリューション」「水資源・廃棄物の循環を促進するソリューション」「都市環境・生活環境を向上させるソリューション」を進める。また、これらを実現するのに強化すべき事業基盤として、DX(デジタルトランスフォーメーション)やKPS(クボタプロダクションシステム)などの強化を進める方針を示している。
農作業のスマート化とともに、異業種とのデータ連携も
「食料の生産性・安全性を高めるソリューション」では、農業における収量拡大や作物品質向上、生産性向上などを実現するソリューションを展開する。具体的にはスマート農業の高度化などを進めていく。また、フードバリューチェーン全体の課題解決や、次世代作物生産などに領域にも取り組んでいく。
スマート農業としては、既にKSAS(クボタスマートアグリシステム)や自動運転農機などさまざまな取り組みを進めているが、農業を取り巻く全体をスマート化し生産性などを高める方針である。自動作業機械やセンシング・分析などの各機器やサービスの提供を進める他、これらとシステム間とのデータ連携を強化し、一連の作業情報を一貫して取り扱えるデジタル基盤の構築に取り組む。農機データ連携基盤、農業データ連携基盤など、各機器や各作業工程間のデータ連携を進めるとともに、食品や流通、物流、資材などの異業種とのデータ連携基盤を構築し、業界をまたいだ効率化や合理化などを進めていく計画だ。
資源を回収し再生産するソリューションを構築へ
「水資源・廃棄物の循環を促進するソリューション」では、社会生活や産業活動における環境負荷低減に貢献する製品やソリューションを展開する他、生活排水や下水の浄化や再利用などを進める。また、資源回収ソリューションの提供などを通じ、埋め立て廃棄物ゼロや廃棄物からの資源回収を進める。
資源回収ソリューションは、クボタが保有するリン回収、メタン活用・溶融による金属回収技術などと、他社のAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ロボティクス技術などを組み合わせることで、最適な回収サイクルをパッケージとして提供できるようにすることを目指す。
水環境を統合するデータプラットフォームで管理効率を向上
「都市環境・生活環境を向上させるソリューション」は、水環境プラットフォームの構築をはじめ、都市の社会インフラの管理効率化を推進する。水環境プラットフォームは、クボタが提供するプラント情報やセンサーを活用した上下水道施設、河川洪水の監視・管理プラットフォームにより、これらの遠隔監視や自動制御を実現し、上下水道インフラと災害インフラの新たな構築を実現する。
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