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コマツの自律運転建機、AIは「適材適所」で採用CEATEC 2018

コマツは、「CEATEC JAPAN 2018」において、建設現場の無人化を可能にする自律運転建機を展示した。「コマツIoTセンタ東京」で実証実験を進めているもので、2021年ごろの商品化を目指している。

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 コマツは、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、幕張メッセ)において、建設現場の無人化を可能にする自律運転建機を展示した。「コマツIoTセンタ東京」(千葉市美浜区)で実証実験を進めているもので、2021年ごろの商品化を目指している。

コマツが展示した自律運転建機
コマツが展示した自律運転建機。自律運転クローラダンプ「CF-1」(左)と自律運転油圧ショベル「PC200i」(右)は、協調作業が可能だ(クリックで拡大)

 展示した自律運転建機は、自律運転油圧ショベル「PC200i」と自律運転クローラダンプ「CF-1」の2種類。無人で動くPC200iが、AI(人工知能)を用いた画像分析やセンサーによる地形計測を行いながら掘削と旋回、CF-1の荷台への土砂の積み込みを行う。土砂の積み込みを完了したCF-1は、無人運転により、カメラなどによる障害物検知を行いながら指定された場所への土砂の運搬や排土を行う。それぞれの動作が自律化されているだけでなく、協調作業が可能なことがポイントだ。

 PC200iは、センサーとしてステレオカメラや周囲監視カメラ、地形計測のための3D LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)を搭載。自己位置推定には2台のGPSと慣性計測ユニットを用いており、その精度は誤差数cmを実現した。アームやブームなどのシリンダーの伸縮についてもエンコーダーを用いて計測している。センサー情報を基に的確な作業を行うためのAIは、目的に合わせて3種類搭載。ダンプの荷台検知はコマツの自社開発、ダンプ状態検知はクロスコンパス、人検知はABEJAの技術を用いている。また、地形認識や掘削計画のソフトウェアは自社開発だ。AIの推論実行には、NVIDIAのGPUを用いている。「各社がそれぞれ得意とする分野があり、適材適所で採用した」(コマツの説明員)という。

自社開発のダンプ荷台検知クロスコンパスのダンプ状態検知ABEJAの人検知 「PC200i」はセンサー情報を基に的確な作業を行うためのAIを3種類搭載している。自社開発のダンプ荷台検知(左)、クロスコンパスのダンプ状態検知(中央)、ABEJAの人検知(右)だ(クリックで拡大)
「CF-1」に搭載したZMPのステレオカメラの検知状況
「CF-1」に搭載したZMPのステレオカメラの検知状況

 一方、CF-1についてはZMPの自動運転技術をパッケージで採用した。PC200iとの協調動作はWi-Fiによる通信で行っている。

 コマツは、作業員による操作を半自動化するICT建機を既に開発している。しかし、ICT建機はあくまで半自動であり、今回展示した自律運転建機のように無人化が可能ではない。「当社は、鉱山用のダンプについては完全自律運転による無人化を実現している。これを建設現場でも実現したいという思いがあり、今回の開発が始まった」(同説明員)としている。

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