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NVIDIAのCEOが日本のAI活用に期待、コマツとの協業で自律運転マシンが建設現場へ人工知能ニュース(1/2 ページ)

NVIDIAのユーザーイベント「GTC Japan 2017」において、同社CEOのジェンスン・フアン氏は、AI(人工知能)の導入による建設現場の安全と生産性の向上を目的として、建機メーカー大手のコマツと協業すると発表した。

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NVIDIAのジェンスン・フアン氏
NVIDIAのジェンスン・フアン氏。手に持っているのは2週間前に発表したばかりのGPUボード「TITAN V」

 NVIDIAはユーザーイベント「GTC Japan 2017」(2017年12月12〜13日)を開催。12月13日の基調講演に登壇した同社CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は、AI(人工知能)の導入による建設現場の安全と生産性の向上を目的として、建機メーカー大手のコマツと協業すると発表した。

 フアン氏は基調講演で、新開発となる「Volta」世代のGPUをベースとする最新技術を紹介。まずは、高度なグラフィックスで実現可能としたVR(仮想現実)によるデザインコラボレーション技術「Holodeck」について、トヨタ自動車のラグジュアリークーペ「レクサスLC」のデータを使って説明した。

「レクサスLC」のデザインデータを使った「Holodeck」のデモ
「レクサスLC」のデザインデータを使った「Holodeck」のデモ(クリックで拡大)
「Holodeck」のデモ「Holodeck」のデモ ボンネットからエンジンを取り出して(左)、エンジンを部品単位にバラバラにすることもできる(右)(クリックで拡大)
「Holodeck」のプロセス「Holodeck」のプロセス 「Holodeck」は3D CADデータをオートデスクの「Maya」や「3dsMAX」でVRデータに変換することで(左)デザインコラボレーションを可能にしている(右)(クリックで拡大)

 そしてNVIDIAのGPU技術によって飛躍的に進化したとされるAI技術については、組み込みAIボード「Jetson」、HPC向けGPUボード「Tesla V100」、Tesla V100を8枚搭載するスーパーコンピュータ「DGX-1」、自動運転向けコンピュータ「Xavier」、AIクラウドコンテナレジストリ「NVIDIA GPU Cloud」、ディープニューラルネットワークの最適化コンパイラ「Tensor RT」、AIの研究開発者向けにディープラーニングにも利用可能なGPUボード「TITAN V」などが、CPUをはじめとする従来技術と比べて高い処理性能を発揮することを強調した。

花の画像分類のスピード比較花の画像分類のスピード比較花の画像分類のスピード比較 花の画像分類のスピード比較。インテルの「Skylake」+「TensorFlow」の処理速度は毎秒5枚程度だが(左)、「Tesla V100」+「TensorRT」では毎秒900枚(中央)、「DGX-1」+TensorRTでは毎秒7000枚に達する(右)(クリックで拡大)

日本におけるAI活用の可能性

 講演の後半でフアン氏が言及したのが日本におけるAI活用の可能性だ。自動運転技術への応用については、NVIDIAだけでなく、同社のパートナーであるアウディやトヨタ自動車からも語られており、10兆米ドルもの市場になる可能性がある。

 自動車以外にも「AIによって自律運転マシンが生み出される」(フアン氏)とした分野が、2000億米ドル市場の産業用機器、700億米ドル市場のヘルスケア、そして2000億米ドル規模の建設だ。

日本におけるAI市場の可能性日本におけるAI市場の可能性 日本におけるAI市場の可能性。自動車は10兆米ドルと大きいが、産業用機器と建設が2000億米ドル、ヘルスケアが700億米ドルになるという(クリックで拡大)

 この建設分野へのAI導入でNVIDIAとの協業するのがコマツである。コマツは、建機の頭脳としてJetsonの最新モデル「Jetson TX2」を採用し、ドローンや監視カメラによる3次元地図の作製や、建設現場の地形、建機、作業者についての見える化を実現していく方針だ。ファン氏は「将来的には、Holodeckを使って建機を遠隔操作する時代が来るかもしれない」と述べている。

AIを活用した建設現場の未来のイメージ
AIを活用した建設現場の未来のイメージ(クリックで拡大)
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