ニュース
生成AIの誤回答を9割削減、DNPがデータ整形技術を開発:人工知能ニュース
大日本印刷(DNP)は、PDFやWordなどのさまざまな形式のドキュメントを、生成AIの学習に適した形式に整形する技術を開発した。同技術を使用した実証実験では、誤回答を約90%削減した。
大日本印刷(DNP)は2023年12月14日、PDFやWordなどのさまざまな形式のドキュメントを、生成AI(人工知能)の学習に適したデータ形式に整形する技術を開発したと発表した。同技術の活用により、生成AIからより的確な回答が得られるようになり、業務効率化に貢献する。
同技術は、テキストや画像、表組みなどが混在したドキュメントを、独自のAIモデルでタイトルや本文、画像、表などの要素別に分割し、生成AIが学習しやすい形式にデータを整形する。整形作業は、ほぼ人手を介さずに実施できる。
ドキュメントの構造を認識するAIモデルは、同社が独自に開発。一般的な深層学習モデルでは数百〜数千ページのデータ学習が必要だが、同モデルでは数十ページ程度の学習でデータ整形ができる。
同技術を使用して同社の社内規定や品質マニュアル、決算短信などのドキュメントのデータを整形し、生成AIに学習、参照させたところ、従来の生成AIと比較して誤回答を約90%削減できたという。
2024年1月には、企業、団体向けに同技術の提供を開始する。さらに、契約書や帳簿類など膨大なドキュメントを扱う自治体や金融機関に向けて、生成AIを活用して業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)につなげるサービスを開発する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 技術ありきで生成AIは導入しない、日立が見据える「DX2周目」の堅実な戦い方
大手企業を中心に進む「生成AI」の導入。一方で「技術ありきの改革」に陥らないようにするにはどうすればよいのか。日立製作所の吉田順氏に、同社の生成AI活用の現状と併せて尋ねた。 - 日鉄ソリューションズ、企業の業務変革に向けた生成AI活用支援サービス提供
日鉄ソリューションズは、企業の業務変革を目的とした「生成AI/ChatGPT活用支援サービス」の提供を開始した。生成AIの導入に向けた企画構想から、生成AIを活用した業務設計、実システムの構築、運用、全社への横展開支援までが含まれる。 - 日立の生成AI活用は生産性向上と安心安全の両輪で、推進組織も発足
日立製作所が生成AIに関する同社の取り組みについて説明。生成AIの安全かつ有効な社内外での利活用を推進するCoE組織「Generative AI センター」を新設したことも発表した。 - 帝人がグループ社員向けに独自の生成AIサービスを導入
帝人は、グループ社員向けに独自の生成AIサービスを導入した。文章の作成や翻訳、要約、データの分析などに使用し、業務の効率化を目指す。2024年1月以降に本格運用を開始する予定だ。 - 不正発生の構造を考えさせられた“島津タイマー”、生成AIの導入事例も大注目
2023年に公開したMONOist 製造マネジメントフォーラムの全記事を対象とした「人気記事ランキング TOP10」(集計期間:2023年1月1日〜12月26日)をご紹介します。 - サイバー攻撃発生時の対応をメタバース上で学習する演習プログラムを開発
大日本印刷は、サイバー攻撃などを受けた場合の緊急対応と組織間連携を、メタバース上で効率良く学習できる「組織連携コース_メタバース演習」を開発した。