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サッポロとハウス食品がトラック共同輸送を開始 北関東〜大阪間で:物流のスマート化
サッポログループ物流とハウス食品は、北関東〜大阪間で、焼酎とスナック菓子のトラック共同輸送を開始した。重量積載率を約98%にまで高め、輸送効率を向上させる狙いだ。
サッポロホールディングスは2023年12月8日、グループ会社のサッポログループ物流とハウス食品が、北関東〜大阪間でトラック共同輸送を開始すると発表した。
群馬県太田市のサッポロビール群馬工場と、栃木県佐野市のハウス食品関東工場を起点に、同月11日から、重量貨物の焼酎「こくいも」などの酒類と、軽量貨物のスナック菓子「オー・ザック」を積み合わせて輸送する。これにより、重量積載率を約98%にまで高めて輸送効率を向上させる。容積積載率も約13%向上し、個別に輸送していた従来の方法と比較して、CO2排出量を年間約18t削減できる見込みだ。
共同輸送の推進に当たっては、大手食品メーカー5社が出資する物流会社F-LINEとともに運行計画を立案した。サッポログループとハウス食品、運送会社にとって、効率的で拘束時間を短縮できる計画としたという。
また両社は、JR貨物の貸し切り貨物列車「ブロックトレイン」でのラウンド輸送テスト運行も行っている。往路ではサッポロビール千葉工場から大阪物流センターへ、復路ではハウス食品関西物流センターから埼玉配送センターへ輸送する。輸送の大半を鉄道に切り替え、トラックの空車回送区間をなくして輸送効率を高める狙いだ。2024年春以降の定期運行化を目指す。
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