ビールとラーメンの共同輸送でCO2排出量を年間約10トン削減、サッポロと日清食品:脱炭素
サッポログループのサッポログループ物流と日清食品は2022年2月17日、ビールと即席麺を組み合わせた共同輸送を同年3月2日から静岡と大阪間で開始すると発表した。
サッポログループのサッポログループ物流と日清食品は2022年2月17日、ビールと即席麺を組み合わせた共同輸送を同年3月2日から静岡と大阪間で開始すると発表した。
サッポログループと日清食品はそれぞれ静岡県焼津市に生産工場を持つ。これらの工場と大阪間の輸送について、従来は個々にトラックを手配し物流網を構築してきた。具体的にはサッポログループでは、静岡工場から大阪物流センター(大阪府大阪市)、日清食品は静岡工場から日清エンタープライズ(大阪府摂津市)への物流が行われていた。
その中で、往路においては、重量貨物であるサッポロのビール樽を最大積載重量まで積載しても、荷台上部にスペースができる一方で、軽量貨物である日清食品の即席麺を荷台の容積一杯まで積載しても積載可能重量に余裕がある状況が生まれていた。また、復路では、両社とも往路に比べて貨物量が少なく、満載にするのが難しい場合があった。
こうした問題を共同物流により解決できないかを両社で検討し実証試験を開始。その結果、往路では両社の製品の種類や数量の組み合わせを調整し、復路ではサッポロの空き容器と日清食品の空きパレットを混載することで、積載率を高めながら100%の実車率(トラックが走行した距離のうち、実際に貨物を積載して走行した距離の比率)を実現する「ラウンド輸送」のスキームを確立した。これにより、両社が個別に輸送していた従来の方法に比べ、トラックの使用台数を約20%削減し、CO2排出量を年間で約10トン削減できる見込みだという。
サッポログループと日清食品はそれぞれ、物流の人不足への課題への対応や次世代ロジスティクス人材の育成などに取り組んできている。サッポログループでは2019年から「サッポロロジスティクス★人づくり大学」を、日清食品では2020年から「SCM Academy」を開催しており、受講生同士の交流も生まれている。今回の取り組みは、それぞれの受講生のアイデアを踏まえて実現したものだという。
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