堀場製作所は2023年12月12日、半導体事業を手掛けるグループ会社の堀場エステックが新工場を京都府福知山市に建設することを発表した。
新工場では、主力製品のマスフローコントローラーや薬液濃度モニターなどを生産する。2024年7月に着工し、2026年1月に完成予定となっている。
HORIBAグループとして過去最大となる約170億円を投資する。最新設備により自動化、効率化を促進する量産技術の基幹工場として幅広い用途に対応できる、約1万m2という広大な生産エリアを備える。これにより、国内におけるマスフローコントローラー生産能力を京都工場(京都府京都市)、阿蘇工場(熊本県西原村)で行われる現状の最大約3倍まで拡張することが可能となる。
マスフローコントローラー、薬液濃度モニターに加え、自社製品に用いるプリント基板や半導体事業に関わる製品やシステム、半導体事業以外の生産も計画している。研究開発拠点「京都福知山テクノロジーセンター」に隣接しており、製品の性能改善や開発サイクルの加速を図る。環境負荷低減への取り組みとして、水素発電を用いた再生可能エネルギーシステムの導入なども行われる見込みだ。
同社によれば、堀場エステックのマスフローコントローラーは世界シェアの66%を占めるという。これまでも阿蘇工場の増産や海外生産体制の強化に取り組んできたが、半導体市場は中長期的に成長が見込まれており、新工場の設立を決めた。
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