次期排ガス規制に対応、自動車開発のDX推進に貢献する連続固体粒子数測定装置:FAニュース
堀場製作所は、次期排ガス規制の測定項目に対応する連続固体粒子数測定装置「SPCS-ONE」を発売した。最新規制への測定ニーズに応え、総合計測プラットフォーム「HORIBA ONE PLATFORM」への適用でDX推進に貢献する。
堀場製作所は2023年2月21日、次期排ガス規制の測定項目に対応する連続固体粒子数測定装置「SPCS-ONE」を発売した。
2009年に販売を開始した「SPCS」シリーズは、自動車のエンジンなどが排出する固体粒子を連続で測定できる。自動車開発における最新の規制に対応するなど、測定ニーズに応えてきた。
SPCS-ONEは、従来機種と同様に、欧州の次期排ガス規制「Euro 7」で導入が検討されているブレーキダストやタイヤダスト、直径10nm以上の粒子数(SPN10)の連続測定に対応する。独自の総合計測プラットフォーム「HORIBA ONE PLATFORM」に適用することで、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に貢献する。
HORIBA ONE PLATFORMは、複数装置の操作とデータ管理を一元化できるシステムで、各種試験時のオペレーションや測定データの管理の自動化、予知保全機能を用いた計画的なメンテナンスなどを支援する。別売りのデータマネジメントシステム「STARS Enterprise」と組み合わせることで、リモートモニタリングで試験や設備の状況を可視化し、稼働や保守の効率を高める。
また、Euro 7だけでなく、各国の最新PN規制に対応。認証や研究開発、性能評価などの測定ニーズに応え、クリーンな動力源として期待される水素など、多様な代替燃料に対応するエンジン開発にも寄与する。
さらに同社では、顧客の設備状況に合わせた活用提案や設置後の校正サポートなど、プロダクトライフサイクルに合わせた長期的な顧客サポートを提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- “排ガス測定の堀場”はどのようにCASEに対応するのか
自動車用排ガス測定器で圧倒的なシェアを握る堀場製作所。電動化や自動運転の領域を強化するため、ここ数年で複数の企業を傘下に収めた。どのようにそのシナジーを生かし、自動車産業の変化に対応していくのか。堀場製作所 営業本部 Automotive New Business Development Office 室長の中西秀樹氏に聞いた。 - 赤外線ガス分析をリアルタイムでポータブルに、実車測定やインライン検査で活用へ
堀場製作所は2021年7月29日、赤外線ガス分析をより迅速に小型の機器で実現できる独自技術「IRLAM(アーラム)」を開発し、同技術搭載の4製品を同日に発売すると発表した。 - 半導体製造プロセスの歩留まりを改善、新設計の四重極形質量分析計
堀場製作所と堀場エステックは、四重極形質量分析計「MICROPOLE system QL」シリーズとウエハー裏面圧力制御システム「GR-500」を2023年1月に発売する。半導体製造プロセスの歩留まりの改善や、生産性を向上する。 - “おもしろおかしく”仕事をして「ほんまもん」を作る――堀場製作所
日本の“オンリーワンなモノづくり技術”にフォーカスしていく連載の第4回。今回は、グループ全体で世界27カ国48社を展開し、グローバルに分析・計測システムを提供している堀場製作所を紹介する。 - 日野の不正と環境規制対応、「技術力の有無ではなくマネジメントの問題」
日野自動車は2022年8月2日、排ガス/燃費試験での不正行為について調査結果を国土交通省に届け出た。今後、国土交通省から日野自動車に対して調査を実施し、不正行為の事実確認や再発防止策の実施状況を調べる。 - ボッシュはなぜディーゼルエンジン技術の開発を重視できるのか
Robert Boschの日本法人であるボッシュは、自動運転技術やパワートレーン、コネクテッドカーなど重点分野の取り組みを発表した。