不定期に試験を行う研究開発拠点でエネルギーマネジメント、東大と堀場製作所:脱炭素(1/2 ページ)
堀場製作所と東京大学は2022年4月5日、研究開発拠点のカーボンニュートラルの実現に向けて共同研究を行う「環境調和型エネルギーシステム社会連携講座」を開設したと発表した。
写真左から東京大学の熊田亜紀子氏、東京大学 大学院工学系研究科長・工学部長の染谷隆夫氏、堀場製作所 代表取締役会長兼グループCEOの堀場厚氏、堀場製作所の中村博司氏[クリックで拡大] 出所:堀場製作所
堀場製作所と東京大学は2022年4月5日、研究開発拠点のカーボンニュートラルの実現に向けて共同研究を行う「環境調和型エネルギーシステム社会連携講座」を開設したと発表した。
同講座の代表教員は東京大学大学院工学系研究科 教授の熊田亜紀子氏だ。設置期間は2025年3月31日まで。3年間で1億円の開発投資を予定している。共同研究の成果は同講座の終了を待たずに堀場製作所を通じて外部に販売するなど事業化していきたい考えだ。
東京大学のAI(人工知能)を活用した予測技術と、堀場製作所の分析、計測技術を組み合わせることで、稼働が非定常な研究開発の現場のエネルギー消費を見える化し、最適な利活用を実現するエネルギーマネジメントシステムの構築に取り組む。これにより、製品の開発も含めたライフサイクル全体でのエネルギーの最適利用やCO2排出削減につなげる。
今後、「エネルギーマネジメントシステムなしの設備のビジネスは難しくなっていくだろう」(堀場製作所 コーポレートオフィサーCTO兼ビジネスインキュベーション本部本部長の中村博司氏)という危機感が背景にある。
実証実験は堀場製作所 びわこ工場(滋賀県大津市)の研究開発拠点「HORIBA BIWAKO E-HARBOR」内にある自動車向けの複数の試験設備を対象に実施する。将来的には、ソフトウェアを用いてエネルギー利用のシミュレーションを行い、研究開発拠点の建設前から最適な設備の提案を行うシステムの開発も目指す。
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