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スーパーコンピュータ「富岳」の世界ランキング結果を発表:製造ITニュース
富士通は、スーパーコンピュータ「富岳」が、スーパーコンピュータの世界ランキング「HPCG」「Graph500」で8期連続の世界第1位を獲得したと発表した。
富士通は2023年11月14日、スーパーコンピュータ「富岳」が、スーパーコンピュータの世界ランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」と、「Graph500」において、8期連続の世界第1位を獲得したと発表した。
富岳は、富士通と理化学研究所が共同で開発し、2020年4月の試行的利用を経て、2021年3月に共用を開始した。ライフサイエンスや基礎科学、モノづくりなどのさまざまな分野で活用されている。
HPCGは、産業利用などの実際のアプリケーションで用いられる、共役勾配法の処理速度を競うランキングだ。富岳の432筐体(15万8976ノード)を用いて、16.00PFLOPS(ペタフロップス)のベンチマークスコアを達成し、8期連続の世界第1位を獲得した。
Graph500は、大規模グラフ解析に関する性能ランキングで、富岳はBFS(Breadth-First Search:幅優先探索)部門において世界第1位を獲得した。今回、15万2064ノード(全体の約95.7%)を用いて、約4.4兆個の頂点と70.4兆個の枝から構成される超大規模グラフに対する幅優先探索問題を平均0.51秒で解いた。Graph500のスコアは13万8867GTEPS(ギガテップス)をマークした。
なお「TOP500」では第4位、「HPL-MxP」では第3位となった。1位はいずれも米国の「Frontier」だった。
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