工作機械のテスト加工をデジタル化する技術にスーパーコンピュータを利用：FAニュース

DMG森精機は、工作機械のテスト加工をデジタル化する「デジタルツインテストカット」技術にスーパーコンピュータ「富岳」を利用した。その結果、複雑な曲面で構成されるブレードや金型などの解析時間を実機テスト比で98％削減できた。

[MONOist]

　DMG森精機は2021年10月26日、工作機械のテスト加工をデジタル化する「デジタルツインテストカット」技術にスーパーコンピュータ「富岳」を利用し、高速化を図ったと発表した。

　同社が同年2月に開始したデジタルツインテストカットは、実際に加工する際の、工作機械の動的な稼働状態をコンピュータ上で再現し、サイクルタイムなどの加工結果を算出する技術だ。最短2営業日で加工結果を顧客に提供する。

実機でのテストカット 出所：DMG森精機

デジタルツインテストカットのイメージ 出所：DMG森精機

　デジタルツインテストカットは、複雑な曲面で構成されるブレードや金型などの場合、解析時間が長くなることもあった。そのため、理化学研究所のスーパーコンピュータ富岳に同技術を実装して計算処理することで、さらなる高速化を追求した。結果、実機で8時間かかる加工を10分で算出できるようになり、算出時間を98％削減できた。

理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」 出所：DMG森精機

　これにより、加工結果を短時間で取得できる。また、実機を使ったテスト加工で消費する工具、ワーク、クーラントも節約できるため、環境負荷の軽減につながる。

　同社は、今後も顧客の生産性向上とサステナブルな社会に向けて、デジタルソリューションを活用していく。