ニュース
液体クロマトグラフにセルロースファイバー強化難燃複合樹脂を採用:材料技術
島津製作所は、分析計測機器の液体クロマトグラフ「Nexera」シリーズの構成ユニット15種類に、セルロースファイバー強化難燃複合樹脂を採用した。石油由来樹脂の使用を削減しつつ、強度と軽さ、難燃性を兼ね備えている。
島津製作所は2023年11月21日、分析計測機器の液体クロマトグラフ「Nexera」シリーズの構成ユニット15種類に、セルロースファイバー強化難燃複合樹脂を用いることを発表した。同月下旬より出荷を開始する。
同樹脂は、2020年に巴川製紙所とエフピー化成工業が共同で開発した「グリーンチップCMF」を基に、難燃性能を付与したものだ。グリーンチップCMFは、バイオマス素材のセルロースファイバーを配合し、石油由来樹脂の使用を削減しつつ、強度と軽さを兼ね備える。しかし、可燃性であることから、島津製作所を加えた3社が、難燃性を高める試みを進めていた。
同社は、他の分析計測製品にも同樹脂の配合部材を採用したり、環境に配慮した素材を使用するなど、石油由来プラスチックの使用量や二酸化炭素排出量の削減を図る考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 30%の省エネ化を実現し水素ガスに対応したGC、小型で2種類のカラムを収納可能
島津製作所は、「JASIS 2023」(2023年9月6〜8日)に出展し、新製品のガスクロマトグラフ「Brevis GC-2050」やGC質量分析計(GC-MS)「GCMS-QP2050」、マイクロプラスチック自動前処理装置「MAP-100」を披露した。 - 循環器領域で協業、血管撮影システムをOEMで供給
GEヘルスケア・ジャパンと島津製作所は、循環器領域における課題解決に向けて協業を開始する。島津製作所は血管撮影システム「Trinias」シリーズをOEMで供給し、GEヘルスケア・ジャパンが国内で販売を開始する。 - 「タイマーで故障を偽装し部品を売る」島津製作所子会社による悪質不正行為の全容
島津製作所は、同社子会社の島津メディカルシステムズで行われていた保守点検業務に関する不正行為の内容について、外部調査委員会による調査結果を発表した。島津メディカルシステムズ熊本営業所では、タイマーにより意図的に装置が故障したかのように見せかけ、保守部品を売るという不適切行為が行われていたことが2022年9月に発覚している。 - 強度試験を全自動化する万能試験機自動化システム、島津製作所が中国で発売
島津製作所は、識時(上海)自動化科技と共同で開発した金属材料測定向け「万能試験機自動化システム SAGX-V」シリーズを中国で発売した。自動車、部品、鉄鋼などのメーカーへ販売する。 - 島津製作所が関東初の大規模研究開発拠点を開所、キングスカイフロントに
島津製作所が、関東地区初の大規模研究開発拠点となる「Shimadzu Tokyo Innovation Plaza(殿町事業所、Shimadzu TIP)」を報道陣に公開。約100人の従業員が入居し、投資金額は入居する建屋の改造費や約100台の分析計測機器などを含めて約20億円。 - 島津製作所が食品/飲料メーカーの製品開発や研究を支援するラボ開設
島津製作所は、農業・食品産業技術総合研究機構と共同で、食品、飲料メーカーの製品開発や研究を支援する「NARO島津テスティングラボ」を開設した。食品、飲料メーカーの研究者はラボに設置された最新の分析機器を研究に利用できる。