島津製作所が関東初の大規模研究開発拠点を開所、キングスカイフロントに:研究開発の最前線(1/2 ページ)
島津製作所が、関東地区初の大規模研究開発拠点となる「Shimadzu Tokyo Innovation Plaza(殿町事業所、Shimadzu TIP)」を報道陣に公開。約100人の従業員が入居し、投資金額は入居する建屋の改造費や約100台の分析計測機器などを含めて約20億円。
島津製作所は2023年1月16日、同社として関東地区初の大規模研究開発拠点となる「Shimadzu Tokyo Innovation Plaza(殿町事業所、Shimadzu TIP)」(川崎市川崎区)を開所するとともに、報道陣に公開した。地上4階建ての鉄骨造りで延べ床面積9503m2に、研究者約80人を含めた約100人の従業員が入居する。投資金額は、入居する建屋の改造費や4つの研究スペースに展開する約100台の分析計測機器などを含めて約20億円。
Shimadzu TIPは、国家戦略特区や国際戦略総合特区などに指定される殿町国際戦略拠点「キングスカイフロント」内にある。キングスカイフロントは、2023年1月時点で国立研究機関や大学、企業など約70の機関が進出するオープンイノベーション地区であるとともに、2022年3月に完成した多摩川スカイブリッジによって羽田空港と直結する他、首都高速横羽線と接続する国道409号線、徒歩圏内にある京浜急行大師線小島新田駅など良好な交通アクセスを特徴としている。
Shimadzu TIPでは、この好立地を活用して、関東地区をはじめ国内外の顧客が分析計測機器に求める応用技術/アプリケーション技術の開発と顧客への技術サポートを行う。キングスカイフロントがオープンイノベーション地区であることも念頭に社外連携も積極的に推進していく考えだ。
島津製作所 代表取締役社長の山本靖則氏は「これまでは開発した製品である分析計測機器を顧客に届けるという考え方が当たり前だった。しかしこれからは、顧客が本来求めている分析計測の結果であるデータを届けることを前提に製品開発を行っていく必要があるとともに、そのためには他社製品を組み合わせるという選択肢も出てくるだろう。Shimadzu TIPは、そういった新しい時代の応用技術/アプリケーション技術開発の拠点として活用していく」と語る。
なお、島津製作所の関東地区の応用技術/アプリケーション技術開発拠点は、秦野工場(神奈川県秦野市)内にあったが、Shimadzu TIPの開所に併せて人員も異動している。
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