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マイクロプラスチック回収装置で革新技術を対象とした認証を取得:リサイクルニュース
三浦工業は、商船三井と共同で開発したマイクロプラスチック回収装置「HQ」が、日本海事協会のInnovation Endorsement認証を取得したと発表した。従来装置に比べ、年間で約70倍の海水を処理できる。
三浦工業は2023年11月21日、商船三井が運航する自動車船に搭載したマイクロプラスチック(MP)回収装置「HQ」が、日本海事協会(ClassNK)のInnovation Endorsement認証を取得したと発表した。
HQは、両社が共同で開発した遠心分離式MP回収装置。2022年6月から自動車船「EMERALD ACE(エメラルドエース)」に試験搭載し、機能実証を進めていた。
船舶の海水取水ラインに接続することで、航行しながら常にMPを回収し、従来装置に比べて年間で約70倍の海水を処理できる。バラスト水処理装置内の逆洗機能フィルターの船外排水からも、MPの回収が可能だ。実証を踏まえ、2023年7月より三浦工業が販売を開始している。
航行しながら常に海水からMPを回収でき、メンテナンスも容易だ。閉塞する構造がなく、既存システムへの影響がほぼない。こうした特徴が評価され、革新技術を対象とした同認証の「船舶」「製品、ソリューション」「プロバイダ」の3つのカテゴリーのうち、製品、ソリューション部門にて認証を取得した。
同装置で回収したMPの成分や量、場所、時期などを分析したデータは、今後、MPの動静調査や削減活動の効果測定などへの活用が期待される。
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