マイクロプラスチック判別技術の共同研究をスタート、海洋環境保護に貢献:研究開発の最前線
スズキは、タンパク質がプラスチックに吸着、着色する性質を活用したマイクロプラスチック判別技術の共同研究に関する契約を静岡大学と締結した。海洋プラスチックごみの削減など、海洋環境保護に貢献する。
スズキは2023年9月11日、タンパク質がプラスチックに吸着、着色する性質を活用したマイクロプラスチック判別技術の共同研究に関する契約を静岡大学と締結したと発表した。
スズキは、「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」の一環として、船外機に設置するマイクロプラスチック回収装置(MPC)を開発し、2022年7月から、一部機種に搭載して販売を開始している。しかし、MPCによる回収物には、マイクロプラスチックの他に、砂や木くず、微小な海洋生物なども含まれており、手作業と目視による分別には経験やスキルが必要となる。
静岡大学は、微生物が保有する酵素やタンパク質を有効活用する研究に定評があり、特にタンパク質の吸着特性に関する知見が豊富だ。今回の共同研究で使うタンパク質は、プラスチックに吸着し、着色させるという性質を持つ。また、タンパク質とプラスチックの組み合わせにより、発色する色が異なる特性も備える。
こうした性質を活用し、MPCで回収したマイクロプラスチックに同タンパク質を吸着、着色させることで、高精度かつ短時間でプラスチックの特定とその種類の判定が可能となる。画像認識を活用することで、国内外に設置されたモニタリングポイントからもデータの取得が容易となる。
スズキは、共同研究をさらに進め、マイクロプラスチック判別技術の実用化を目指す。プラスチックの回収量や種類を画像認識で簡単に可視化できるようにすることで、海洋プラスチックごみ削減などの海洋環境保護に寄与していくとしている。
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