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「軽初」の装備盛り込んだスズキ「スペーシア」、フロントガラス投影式HUDも安全システム(1/2 ページ)

スズキは、ハイトワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」「スペーシア カスタム」をフルモデルチェンジして発表した。安全に対するニーズ拡大に対応した「スズキセーフティサポート」を展開していく。

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スズキ 社長の鈴木俊宏氏と新型スペーシア(クリックして拡大)

 スズキは2017年12月14日、東京都内で会見を開き、ハイトワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」「スペーシア カスタム」をフルモデルチェンジして発表した。同日から販売を開始する。

 運転支援システムは後退時を含む自動ブレーキを全車標準装備とした他、「軽自動車としては初採用」(スズキ)とする複数の技術を搭載し、安全に対するニーズ拡大に対応した。こうした機能は「スズキセーフティサポート」として軽自動車だけでなく登録車にも展開していく。

コンバイナー式を採用したばかりだが

 軽自動車で初採用としているのは、後退時の衝突被害を軽減する「後退時ブレーキサポート」と、フロントガラスにカラーで情報を投影するヘッドアップディスプレイ(HUD)、駐車時に周囲360度を立体的に表示して周辺確認を支援する「3Dビュー」の3つだ。さらにスズキ初の技術として、進入禁止の標識をフロントカメラで検知すると、ドライバーに注意を促す標識認識機能も使用した。

 スズキは2017年2月に全面改良を実施した「ワゴンR」で、コンバイナー式のHUDを採用した。スズキとしても、軽自動車としても初採用だとしている。運転支援技術の高度化によりドライバー向けに表示される情報量が増えることから、最低限の情報に集中できるHUDが必要だと判断した。


軽自動車初となるフロントガラス投影型HUD(クリックして拡大)

 スズキでHUDを担当するエンジニアは現在の装着率について明言しなかったが、「メーターやカーナビゲーションシステムを見なくても、HUDだけ見ればいいのが楽だと好評」だという。

 パナソニック製のコンバイナー式HUDを採用した直後ではあるが、より視線移動が少なく、自然な位置に情報を表示できるメリットがあることからフロントガラス投影式を新たに採用した。フロントガラス投影式HUDのサプライヤーはデンソーだ。コンバイナー式HUDは廃止せず、車種ごとの商品性に合わせて使い分ける。

 フロントガラス投影式のHUDはユニットをダッシュボードに内蔵する必要があり、コンバイナー式と比べて搭載スペースの制約が大きくなる。車体の小さい軽自動車であれば、さらにスペースが限られる。新型スペーシアでHUDを搭載するにあたっては、ユニットの小型化よりもエアコンのダクトなど周辺部品のレイアウトの工夫が貢献した。「もともと余裕がない中で、それぞれの部品担当の協力があって成立した」(スズキの説明員)。

HUDの表示のデモ。速度や空調など車両情報に加えて、滑らかなアニメーションも表示できる(クリックして拡大)

 HUDのユニット自体のサイズは、他社の小型車に搭載されているものとほぼ変わらないという。新型スペーシアのHUDで投影する画面サイズやドライバーから見える距離は開示しなかった。エンジン始動時やクルマを降りる時には短いアニメーションをHUDで見せ、表示の滑らかさにもこだわった。表示する情報は、シフトポジションやエンジンの回転数、エアコン、交差点のルート案内などの中からドライバーが選択できる。

スズキ 新型「スペーシア」のフロントガラス投影型HUD(クリックで再生)

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