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LinuxおよびリアルタイムOSとTEEを共存、同時動作する技術を開発:組み込み開発ニュース
ユビキタスAIは、TOPPERSプロジェクトが開発した組み込み機器向けデュアルOSモニタ「SafeG64」を機能拡張し、LinuxおよびリアルタイムOSとTEEを共存、同時動作させる技術を開発した。
ユビキタスAIは2023年11月15日、TOPPERSプロジェクトが開発した組み込み機器向けデュアルOSモニタ「SafeG64」を機能拡張し、LinuxおよびリアルタイムOSとTEE(Trusted Execution Environment)を共存、同時動作させる技術を開発したと発表した。商用リアルタイムOS「TOPPERS-Pro」の拡張機能として2024年度の前半に発売予定だ。
SafeGは、組み込みシステムにおいてLinuxとリアルタイムOSを同時動作させる仕組みで、64ビットのArm Cortex-Aプロセッサに対応したものはSafeG64と呼ばれている。SafeGおよびSafeG64は、セキュリティ拡張技術「Arm TrustZone」の機能を活用し、いわゆる「ノーマルワールド」でLinuxを、「セキュアワールド」でリアルタイムOSのTOPPERSカーネルを安全に分離、動作できる。
これまでSafeG64は、セキュアな動作環境を構築するTEEとの共存に対応していなかった。ユビキタスAIは、SafeG64のノーマルワールドでLinux、セキュアワールドでTEEとTOPPERSカーネルを共存、同時動作させる技術を開発した。これにより、SafeG64を使用したマルチOSリアルタイムシステムにおいて、堅牢なセキュリティ環境を構築できる。
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