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ユビキタスAIがグレープシステムを完全子会社化、年間売上高は40億円規模に組み込み開発ニュース

ユビキタスAIは、組み込みソフトウェア事業を手掛けるグレープシステムの全株式を取得して子会社化することで合意したと発表した。

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 ユビキタスAIは2023年9月7日、組み込みソフトウェア事業を手掛けるグレープシステムの全株式を取得して子会社化することで合意したと発表した。これまでにユビキタスAIが保有していたグレープシステムの10.15%(議決権ベース)の株式に加えて、残りの株式を全て取得することで完全子会社とする。取得金額はデューデリジェンス費用を含めて1億2800万円で、株式譲渡実行日は同年10月2日の予定。ユビキタスAIの完全子会社となった後もグレープシステムは引き続き独立起業として事業を継続する方針。

ユビキタスAIがグレープシステムを完全子会社化する
ユビキタスAIがグレープシステムを完全子会社化する[クリックで拡大] 出所:ユビキタスAI

 両社はいずれも組み込みソフトウェアの開発、販売および受託開発を行う企業で、2022年3月31日に資本業務提携を行っている。ユビキタスAIは多彩で豊富な製品ラインアップ、グレープシステムは組み込み/プリンタ向け製品に加えて受託開発力に強みを持っており、提携によって技術進化や顧客ニーズへの対応力を強化することで、両社の事業強化/拡充が狙いだった。また、提携の際には、ユビキタスAIがグレープシステムの株式の一部を取得していた。

 この資本業務提携以降、具体的な事業連携の取り組みを通じて大きなメリットがあることを実感し、さらに関係を強化することで事業上のシナジーが広がる可能性を強く感じたという。これまで市場縮小が懸念されていた組み込みシステムの開発ニーズは、EV(電気自動車)を起点とした自動車の電子化拡大、IoT(モノのインターネット)機器の普及に伴う機器開発やセキュリティ対応などによって拡大しており、両社の経験と知見を生かすことによってビジネス機会の増加が予測されることから、この流れに対応すべく、今回の資本統合に至ったとする。

 今後は、両社の強みを生かせるようさらに連携を深め、双方で共通した事業運営の統合に取り組んでいく。また、将来の成長のため、今後の課題の一つである組み込みエンジニアの採用と育成強化に協力して取り組み、開発/顧客サポートのための体制強化を推進し、優秀な人材を活用した新たなビジネスの検討なども行う予定だ。

 1991年創業のグレープシステムは、組み込み機器開発に必要とされるUSB/プリンタドライバやバーコードソフトなどの自社開発製品や海外メーカー製品の販売/サービス提供に加え、組み込み/プリンタソフトなどの受託開発を得意としている。2022年度(2023年3月期)の連結業績は、売上高が前年度比19%増の10億4800万円、営業損益が同1億1300万円改善の3100万円の黒字だった。

 ユビキタスAIは、2001年創業のユビキタスが2018年7月に連結子会社のエーアイコーポレーションを吸収合併した際にユビキタスAIコーポレーションに社名を変更。その後2022年7月に社名をユビキタスAIに変更した。これまでも、エーアイコーポレーションの他、エイム、ライトストーンといった国内組み込みソフトウェアベンダーを傘下に収めている。2022年度(2023年3月期)の連結業績は売上高が前年度比5.8%減の19億3800万円、営業損益が同1億6100万円悪化の8400万円の赤字だったが、2023年度はライトストーンが加わることで売上高が29億1200万円に拡大し、営業利益は2000万円の黒字化を想定している。今回のグレープシステムの完全子会社化によって年間売上高は40億円規模になる見通しだ。

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