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欧州に鉄道枕木向け合成木材生産工場を開設、海外の鉄道分野最大需要地で事業拡大:工場ニュース
積水化学工業は、オランダのグループ会社SEKISUI ESLON内に、鉄道枕木向けの合成木材生産工場を開設した。欧州工場の開設により、さらなる事業拡大とグローバル化を推進する。
積水化学工業は2023年11月8日、オランダのグループ会社SEKISUI ESLON内に、鉄道枕木向けの合成木材(FFU)生産工場を開設したことを発表した。海外における鉄道分野最大の需要地である欧州工場の開設により、さらなる事業拡大とグローバル化を推進する。
FFU製枕木は、これまで滋賀県の栗東工場でほぼ全量を生産していたが、今回、欧州で建設を進めていた生産工場が完成した。
同社が製造するFFUは、天然木材とプラスチックの長所を兼ね備え、軽量、耐久、耐候性、加工性に優れた合成木材で、鉄道の枕木用途として採用されてから40年を超えている。海外では2003年に初受注を獲得し、需要の拡大が見込まれる欧州を中心に事業規模を拡大し、世界34カ国での販売実績を持つ。
近年、高品質な木材は環境配慮から調達が難しくなっている。さらに、EUでは発がん性の危険から、木材の防腐剤として使用されるクレオソート油の使用が禁止となっており、世界中で木製枕木の代替品として樹脂製枕木の導入が進んでいる。同社のFFUは、特に軽量、高耐久が求められる分岐部や橋梁部分での採用が拡大している。
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