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二酸化炭素を溶融塩電解し、アセチレンを生成するプロセスを開発:脱炭素
ダイキン工業と同志社大学は、二酸化炭素を溶融塩電解し、アセチレンを生成するプロセスを開発した。アセチレンは金属の溶接や切断のほか、合成樹脂の原料として利用できる。
ダイキン工業と同志社大学は2023年11月15日、二酸化炭素(CO2)を電気分解し、アセチレン(C2H2)を生成するプロセスを開発したと発表した。C2H2は、金属の溶接や切断の他、合成樹脂の原料として利用できる。
同プロセスは、食塩(NaCl)や塩化カルシウム(CaCl2)などを含む金属塩化物と、金属酸化物である生石灰(CaO)で構成される溶融塩を500℃以上に加熱。そこにCO2を注入して電気分解し、C2H2の主原料であるカルシウムカーバイド(CaC2)を陰極上に生成する。CaC2は水と反応させることでC2H2となる。
CaC2の従来製法は、石炭を原料としたコークスと石灰石を約2000℃に加熱することから、大量のエネルギー消費とCO2排出を伴う。一方、同プロセスは火力発電所や製鉄所などから排出されるCO2をリサイクルし、再資源化を可能とする。
今後は、同プロセスの社会実装に向け、溶融塩の組成や電極材料、電解条件などの最適化を図る考えだ。
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