仮眠に適した室温を確認、オフィスでのパフォーマンス向上へ:医療機器ニュース
ダイキン工業は、眠気による生産性低下の改善に適した、日中の仮眠時の温熱制御を確認した。仮眠中に3段階に分けて温熱制御することで、仮眠に適した睡眠、起床後の脳の処理速度と記憶力の改善が得られた。
ダイキン工業は2022年1月25日、眠気による生産性低下の改善に適した、日中の仮眠時の温熱制御を確認したと発表した。30分間の仮眠時間において、室温を入眠前は27℃、睡眠中は26℃、起床前は27℃にすると、速やかな入眠と適度な深さで安定した睡眠が得られ、起床後の脳の処理速度と記憶力が改善することを実証した。電気通信大学との共同研究による成果だ。
実証実験は、2020年1月〜2021年12月に、ダイキン工業内に設置した湿度40〜60%の実験ブースのベッドで実施した。20代の男女11人が、オフィスで着用する服装で、睡眠深度を測定するための脳波測定器を装着して仮眠した。
入眠前の室温を、25℃以下(低め)、26℃(中立)、27℃(高め)の3通りで検証したところ、27℃にすると入眠までの時間が短くなる傾向が見られた。睡眠中の室温は、入眠前と同じ、入眠前から1℃下げた状態で比較。室温を26℃に変化させると、10分後に仮眠に適するノンレム睡眠に達してそれを維持した。起床時は、室温を変化させない場合に比べ、3分前から室温を27℃に戻した場合の方が、睡眠深度が浅くなって眠気の少ない状態で覚醒できた。
起床後に生産性の変化を評価するため、脳の処理速度と記憶力を評価する生産性計測テスト、眠気のレベルを自己評価するアンケートを実施した。これらの結果から、温熱制御のある仮眠後は、制御のない場合よりパフォーマンス向上が見られた。
今回の成果を基に、point0が運営するコワーキングスペース内に、睡眠状態を検知するバイタルセンサーを備えた仮眠体験システムを構築。今後、一般利用者を対象にしたアンケート調査により、実空間での有効性を評価する予定だ。
日本人の睡眠時間は減少傾向で、20〜50代の30%以上の人が日中の眠気を週に3回以上経験しているという調査結果もある。30分以内の仮眠は、眠気による生産性低下の改善方法として厚生労働省も推奨している。
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