100万台のクラウド接続に対応、ダイキンの新しい空調コントロールサービス:製造業IoT(1/2 ページ)
ダイキン工業は2021年5月20日、空調機器製品のインターネット対応化を中核とする新事業戦略「オールコネクテッド戦略」に関する説明会を開催した。同説明会では、クラウド型空調コントロールサービス「DK-CONNECT」を2021年6月1日から発売すると発表した。
ダイキン工業は2021年5月20日、空調機器製品のインターネット対応化を中核とする新事業戦略「オールコネクテッド戦略」に関する説明会を開催した。同説明会では、クラウド型空調コントロールサービス「DK-CONNECT」を2021年6月1日から発売すると発表した。
空調設備のクラウド対応を推進
「オールコネクテッド戦略」は、ダイキン工業が販売する空調機器のクラウド対応推進に主眼を置いた事業戦略である。機器をクラウドに接続することで使用データなどを収集し、「顧客接点の拡大」「定期的な機能アップデートなどを通じた顧客満足度の向上」「データを活用した月額課金制サービスの提供」などを行う計画だ。
2025年までに空調機器の新規販売台数の50%以上をクラウド接続可能にし、将来的には全数接続を実現する。まずはビル用マルチエアコンをターゲットにクラウド対応を進めるという。
同戦略の意図について、ダイキン工業常務執行役員 空調営業本部長 舩田聡氏は「これまで当社では、機器納入までは営業部門が、納入後は保守/運用などを顧客サービス部門が担当してきた。ただサービス保守の契約率は低かった。販売後に顧客接点が持てていないのが課題と考えて、今後は営業と顧客サービス部門が一体となり、機器生産から運用、保守までの空調機器のバリューチェーン全体を含めた、きめ細かな顧客提案を実施していく体制を作る。その要となるのが、中・大規模建物向けのクラウド型空調コントロールサービスであるDK-CONNECTだ」と説明した。
空調機器のデータ収集、機器運用/管理を一元化
DK-CONNECTはエッジデバイス「DK-CONNECT edge」に顧客の空調機器を接続して、LTEやWi-Fiルーターなどを通じてクラウドへの接続環境を提供するサービスである。これによってDK-CONNECT edgeに空調設備の稼働状況などのデータを収集、蓄積する他、状態監視や運用管理が遠隔から行える。
DK-CONNECTを利用することで、ビルの管理担当者はスマートフォンやタブレットから空調設備を監視、運用できる。従来は、管理担当のビルを一箇所ずつ巡回して作業を行う必要があったが、この手間を省く。省エネ設定管理も一元的に行える。
設備の異常発生時には管理者に自動通知する機能もある。通知を受けた管理者は、すぐにサービスエンジニアに連絡するとともに、空調の応急運転機能を実行できる。これによって空調のダウンタイムを短縮し、ビル利用者の快適性を維持する。
空調機器のエネルギー使用量などはフロアやエリアごとに可視化される。これらのデータと、ビルの利用状況に関するヒアリング結果を総合することで、よりエネルギー消費を効率化する改善策をダイキン工業が提案する。例えば、ある時刻を過ぎたら電気を自動で切ることで消し忘れを防止する、気温に合わせて室内温度を調整するなどだ。これらの改善策を基に機器の制御用ソフトウェアをアップデートする。
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