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ソフトモーション掲げるモベンシスが本社を新宿に移転、国内顧客との連携加速FAニュース

モベンシスが新本社となる新宿オフィスへの移転記念開所式を開催。同社のユーザー企業やパートナー企業から約50人が参加した。

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 モベンシスは2023年11月7日、新本社となる新宿オフィス(東京都新宿区)への移転記念開所式を開催した。オフィス面積が従来比で2倍以上に拡大することに加えて、地下鉄西新宿駅から徒歩4分という良好なアクセス性を生かし、国内顧客との連携を加速させたい考えだ。

モベンシスの梁富好氏(左)と佐藤恭祐氏(右)
モベンシスの梁富好氏(左)と佐藤恭祐氏(右)[クリックで拡大]

 同社は取締役会長の梁富好氏が1998年に米国ボストンで創業したSoft Servo Systemsに源流を持つ。2006年に設立した日本法人のソフトサーボシステムズの本社は東京都立川市にあり、これまでその立川オフィスを拠点に国内事業を展開してきた。2021年には、現在のモベンシスに社名を変更している。同社 代表取締役社長の佐藤恭祐氏は「米国での創業から25周年を迎える中で、新宿に本社を移転できるのは顧客やパートナーの協力あってこそだ。この新宿オフィスを起点に、国内事業をさらに拡大していきたい」と語る。

モベンシスの沿革
モベンシスの沿革[クリックで拡大]

 現在モベンシスの従業員数は20人弱。国内事業の拡大に向けては、さらなる人員増強が必須だが、立川オフィスは広さの面で既に限界を迎えつつあった。新宿オフィスの面積は従来比で2倍以上となる約150坪(約500m2)に広がり、西新宿という首都圏の中核に位置する良好なアクセス性によって人材獲得もしやすくなる。「坪庭をイメージしたオフィスのエントランスはコラボレーションエリアになっており、ソフトモーション技術に関連する常設のデモ展示を活用して技術提案や商談なども行いやすくなっている」(佐藤氏)という。また、立川オフィスでは執務エリアに隣接して設置していたため手狭になっていた技術開発や試作などを行うラボエリアも新たにラボ室として独立させた。

コラボレーションエリアの常設のデモ展示
コラボレーションエリアの常設のデモ展示。ソフトモーション技術によるリアルタイム同期制御を確認できる[クリックで拡大]
新オフィス移転に合わせて設置したラボ室
新オフィス移転に合わせて設置したラボ室[クリックで拡大]

 開所式には同社のユーザー企業やパートナー企業から約50人が参加した。2023年5月にモベンシスとの協業契約と出資を発表した三菱電機からは、2022年まで同社のFAシステム事業本部長を務め、現在は取締役 常務執行役 CSOの武田聡氏が「製造業の未来を開いていくために協力して事業を進めていきたい」と祝辞を述べた。

 創業者の梁氏は「米国ボストンで創業した際に、さまざまな機械や装置のリアルタイム同期制御を実現するソフトモーションの可能性を説いて回ったが『クレイジーアイデア』と言われ続けた。しかし現在では業界でも標準的にソフトモーションが受け入れられつつある。足元では、ソフトモーションのソフトウェアパッケージである『WMX』を年間5000〜7000セット販売しているが、新宿オフィスへの移転を契機にさらに事業を拡大し、2025年には年間で2万セット、2026年には3万セットまで成長させたい」と意気込む。

 三菱電機をはじめ国内大手産業機器メーカーとの協業が広がることで着実な事業拡大が見込める一方で「現在は、自動車業界で話題になっているソフトウェア定義自動車(SDV)にインスパイアを得ており、WMXとマシンビジョンの融合や、クラウド上に置いたWMXによる“ソフトウェア定義モーションコントロール”に向けた開発なども検討している。これらの取り組みにとどまらず、創業期に言われた『クレイジー』さを忘れずに社会に変革を起こしていきたい」(梁氏)としている。

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