ソフトベースのモーションコントローラがラダー言語にも対応へ:産業オープンネット展2016
ソフトサーボシステムズは、「産業オープンネット展2016」において、ソフトウェアベースのモーションコントローラ「WMX2」のデモンストレーションを披露した。
ソフトサーボシステムズは、「産業オープンネット展2016」(2016年7月25日、大田区産業プラザPiO)において、ソフトウェアベースのモーションコントローラ「WMX2」のデモンストレーションを披露した。
WMX2は、産業用ネットワークのEtherCATに特化することによって、一般的なWindowsが動くPCの演算能力をフル活用してのモーションコントロールが可能になるソフトウェアだ。一般的なモーションコントロールシステムは、入力用のPCと、PLCなどの専用モーションコントローラ、サーボドライバという構成だが、WMX2を使う場合PCとEtherCATドライバだけで済む。ソフトサーボシステムズはこれを「ゼロハードウェアコントローラ」と呼んでいる。
ただしWMX2はリアルタイムでの応答が難しいWindows OS上ではなく、別途組み込んだ米国Interval ZEROのリアルタイムプラットフォーム「RTX」上で動作する。PCに搭載されているCPUのコア数が4つあるとすれば、2コアを使ってWindows OSやアプリケーションを、残り2コアでRTXとWMX2を動かしている。
WMX2は、PCからイーサネット接続したEtherCATドライバにつながるモーターなどのアクチュエータ最大64軸を同期して制御できる。64軸用いる場合には0.5ms周期で、32軸であれば0.25ms周期で同期できる。加減速のプロファイルは、台形やS字、ジャーク指定、平均時間指定などの他、加速・減速別の指定も可能だ。
WMX2を用いることで価格面でも大きなメリットが得られるという。ソフトサーボシステムズ社長の梁富好氏は「従来は1軸当たりのコストが1万円なら安価といわれていた。WMX2であれば、使用する軸数にもよるが1軸当たり5000円以下にすることも可能」と説明する。
また2016年10月にはIEC61131-3 PLC機能を提供する予定だ。Phoenix Contact SoftwareのソフトPLCツールをWMX2に統合して対応する。IEC61131-3規格の5言語(LD、FBD、ST、IL、SFC)によるプログラミングが可能になる。従来WMX2が対応していたのはC言語だけだった。「既存の専用ハードウェアを使うモーションコントロールシステムのプログラムはLD(ラダー言語)で書かれていることが多い。そのプログラムを再利用しながらソフトウェアベースのモーションコントロールに置き換えるには、この機能が必要になると考えた」(梁氏)としている。
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