EV部品洗浄に最適な機能とスペック、省エネ機能を搭載した精密部品洗浄機:FAニュース
スギノマシンは、精密部品洗浄機「JCC」シリーズの新機種「JCC-MULTI」の販売を開始した。EV部品の洗浄に最適な機能とスペック、省エネ機能を搭載し、eアクスルに対応できるワークエリアを備える。
スギノマシンは2023年10月18日、精密部品洗浄機「JCC(ジェットクリーンセンタ)」シリーズの新機種「JCC-MULTI」の販売を開始した。EV(電気自動車)の主要部品で、モーターなどの駆動要素を一体化したユニット「eアクスル」に対応する。
水を高圧噴射して部品を洗浄するJCCシリーズの新機種JCC-MULTIは、ターンテーブルの搭載により、さまざまな部品の洗浄と乾燥ができる。EV部品の洗浄に最適な機能とスペックを備えるほか、省エネ機能により、洗浄や乾燥でのCO2排出量を大幅に削減する。
また、「スイング狙い撃ち洗浄」機能は、ワークの回転軸とノズルの駆動軸を同期して動かすことで高精度に洗浄できる。新型ノズル駆動ユニットが高速で位置決めをし、圧力と流量を最小化することで消費電力を従来機と比べて約75%削減する。
洗浄範囲も拡大した。洗浄ノズルにY軸を搭載したことで、モーターケースの内面など筒状のワークの内部も洗浄可能になった。
乾燥室には新たに開発した遠心乾燥機能を搭載。水がよく抜ける姿勢で高速回転し、水分を遠心力で飛ばして乾燥する。回転機構と内蔵ブロワーによるアシストエアで乾燥するため、従来のエアブローを使った装置と比べて大幅に消費電力を抑えるほか、乾燥時のCO2排出量を約52%削減する。
標準搭載のターンテーブルは2室で洗浄と乾燥が同時にでき、工程集約とタクト短縮につながる。また、装置のテーブルに採用したL型2面ドアで、装置の前面、上面どちらからでもワークを搬入できるため、自動搬送に対応する。
対応ワークサイズは400×500×600mmで、EVの主要部品eアクスルを洗浄できる広さを確保している。装置と洗浄タンクを一体化して省スペース化に貢献するとともに、高圧水発生ポンプ、エア機器、タンクを装置の背面にまとめて配置することでメンテナンス性も向上している。
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