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H形鋼の外観検査にAI画像判定サービスを活用:製造IT導入事例
YE DIGITALのAI画像判定サービス「MMEye」を、東京製鐵が九州工場において外観検査に活用している。集中力を要するH形鋼表面の傷の目視検査において、作業負担が軽減される。
YE DIGITALは2023年10月3日、同社のAI(人工知能)画像判定サービス「MMEye」を、東京製鐵が九州工場において外観検査に活用していることを発表した。
H形鋼などを製造する東京製鐵では、これまで目視によってH形鋼表面の傷の検査を実施していた。作業負担軽減や検査員による検査品質のばらつきを抑えるために、圧延ラインに外観検査機を導入したが、さらに品質を高めることを目的に、AIによる画像判定を活用することを検討。2021年から、MMEyeによる画像判定で正しく傷を検知できるか検証を開始した。
検知精度向上のため、さらにAIの追加学習を実施した上で、新たな画像判定モデルを構築。また、傷の箇所を特定するために、その位置を表示するアプリケーションを開発し、2023年4月に本格運用を開始した。
本格運用開始後は、AIによる判定と目視による検査を併用したところ、集中力を要する目視検査時の作業負担が軽減された。東京製鐵では今後、AIの追加学習による検知精度の向上と、作業負担の高い現場への展開を目指す。
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