EV普及の黒船か、フォックスコンがEVプラットフォームのライセンス提供開始:ジャパンモビリティショー2023(2/2 ページ)
台湾の鴻海精密工業/Foxconnが主導するMIH コンソーシアムは、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」において、独自の3人乗りEVコンセプトカー「Project X」を出展した。さらに、同コンソーシアムで作ったEVプラットフォームのライセンス展開を開始し、その第1弾としてMモビリティにライセンス供与を行うと発表した。
MIH コンソーシアム発足2年でコンセプトカーを開発
JAPAN MOBILITY SHOW 2023ではさらにMIH コンソーシアムの2年間の活動の成果として、独自の3人乗り電気自動車(EV)コンセプトカー「Project X」を披露した他、スマート物流に関する包括的な仕組みを提供する「Project Y」を発表した。
Project Xは、2人乗りと3人乗りのどちらにも対応できる3020×1840×1690mmサイズのコンパクトカーだ。1つの駐車スペースで2台の車両を収納できるように設計されており、商用環境での効率的な運用を可能としている。独自の固定式バッテリーシステムと交換式バッテリーシステムを採用し、パートナーであるGogoroのバッテリー交換エコシステムを活用できるという。最高速度は時速120kmとしている。自動運転レベル2〜4までカスタマイズで対応できるという。
また、車載インフォテインメント(IVI)や電気電子アーキテクチャ(EEA)領域では、Foxconn Industrial Internet(フォックスコンインダストリアルインターネット)との連携で技術開発を行っており、設計向上に取り組んでいるという。
さらに、MIH コンソーシアムでは、物資輸送をターゲットとしたProject Yも発表した。これは、電気トラックや電気商用バンの開発、最先端の車両/エネルギー管理ソフトウェア、エネルギーインフラのコンサルティング、CO2排出量追跡プラットフォームなどを包括的に提供するものだ。商用物流企業に対し、CO2排出量削減目標の達成やグリーン輸送の推進を支援する。チェン氏は「B2B企業がEVへと移行する中で必要な支援策を包括的に提供することがMIH コンソーシアムの役割だと考えている」と述べている。
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