EVプラットフォームをホンハイから買うか、VWから買うか:自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)
1週間おつかれさまでした。寒くなってきましたね。これを書いている10月22日は、関東で12月並みの気温となりました。ついこの間まで、ちょっと汗ばむような気温だったはずなのに、一気に冬になったような気がします。暖かくしてお過ごしくださいね。
1週間おつかれさまでした。寒くなってきましたね。これを書いている10月22日は、関東で12月並みの気温となりました。ついこの間まで、ちょっと汗ばむような気温だったはずなのに、一気に冬になったような気がします。暖かくしてお過ごしくださいね。
今週は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がEV(電気自動車)3車種をお披露目しました。2021年2月にホンハイは米国のEVベンチャーであるFISKER(フィスカー)の車両を2023年第4四半期から生産すると発表。今回は自動車メーカーのEVの受託生産ではなく、ホンハイの独自開発のEVです。
発表したのはSUVタイプの「モデルC」、セダンタイプの「モデルE」、EVバスの「モデルT」の3車種です。台湾の自動車メーカーである裕隆汽車との共同出資会社フォックストロン(Foxtron)で開発しました。裕隆汽車は、フォックストロンのEVオープンプラットフォームを採用する最初のパートナーになるそうです。
モデルCは、全長4.64mに対しホイールベースが2.86mで、室内空間を最大限に確保したのが特徴であるとしています。走行距離は700kmで、オープンプラットフォームの採用によって内燃機関のクルマに匹敵するリーズナブルな価格で販売できるとのことです。モデルEはピニンファリーナによってデザインされた、フラグシップセダンという位置付けです。走行距離は750kmで、後部座席をオフィスとして使えるようさまざまなハイテク機能も搭載されます。モデルTは、高度な道路交通ソリューションという位置付けに加えて、20万kmを走行した加速耐久テストや、高温下でのバッテリーのテストなども実施済みです。
日本経済新聞によれば、モデルCの価格は100万台湾ドル(約400万円)となり、2023年に台湾で発売。モデルTは台湾の高雄市での導入が決まっているとのことです。また、プレスリリースによれば、車載ソフトウェアの開発体制を強化するため、ソフトウェアR&Dセンターを設立し、1500人以上のソフトウェアエンジニアで活動するとしています。
ホンハイは、EVを今後5年間で1兆台湾ドル(約4兆円)のビジネスにすると意気込んでいます。もちろん1社が3車種の販売で売り上げ4兆円を目指すのではなく、セダン、SUV、バスの3つのEVプラットフォームを他社にも供給することで、事業規模を拡大します。
先達であるVWのEV専用プラットフォームの広がりは?
EVプラットフォームの外販と聞いて思い出したのが、フォルクスワーゲン(VW)が2019年3月のジュネーブモーターショーでEV専用プラットフォーム「MEB」を他社にも供給するとアナウンスした件です。当時はドイツのEVベンチャーであるe.GOに提供すると発表されました。また、フォードが2023年までに発売する欧州向けのEVにMEBを採用することも決まっており、フォードは2車種目のMEB採用モデルも準備していると報じられています。
MEBを採用したVW製のEVは次々とラインアップを増やしていますが、e.GOでのMEB活用の現状はイマイチよく分かりません(広報窓口にメールを送ってみましたが、いまのところ返信はありません)。
e.GOのWebサイトを見てみると、2018年には小規模な生産拠点を立ち上げており、2019年には車両の「e.GO Life」が認証を受けています。2020年には量産準備が進み、700台を出荷したとしています。VWとの協業については「e.GOはMEBに初めてアクセスした企業である」「2019〜2020年にVWとのジョイントプロジェクトがあった」と書かれているのみです。MEBの有無にかかわらず、ビジネスとしては進んでいるように見えます。
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